太陽光発電システムを設置しても、住宅が接続している電力会社の電線側の状態により、余剰電力の逆潮流(→用語解説)がうまくできず、売電ができない場合があります。具体的には、特定の区域に太陽光発電システムを設置した住宅が集中しており、それらの住宅からいっせいに逆潮流をしようとしたときなどに、こうした問題発生することがあります。ごく一時的に発生して、すぐに解消する程度なら、あまり気にする必要はありません。しかしこのような状態が繰り返し発生したり、長時間にわたって発生したりする場合には対策が必要です。これでは、太陽光発電による余剰電力があっても、ほとんど売電できず、損をしてしまうからです(この現象の発生メカニズムなどの詳細については、関連記事を参照のこと)。
配電対策工事が必要な例
特定の区域に太陽光発電システムを設置した住宅が集中しており、それらがいっせいに逆潮流(売電)をしようとすると、電線の電圧が上がってしまい、うまく逆潮流できなくなることがある。
これを解決するには、電力会社に依頼して、電線側で対策をとってもらう必要があります。具体的には、変圧器などの設置や配線の変更などを行います。ケースによりますが、この際の対策にかかった費用(工事負担金)が契約者(消費者)に請求されることがあります。「配電対策補助金」は、この際にかかった工事費用の全額を補助金として交付し、消費者が負担しなくてすむようにするためのものです。ただし今回の「配電対策補助金」は、恒久的な対策ではありませんから、補助金の申請にはしめきりがあります。現時点で有効な配電対策補助金の申し込み期間は2010年5月17日~2011年1月28日までです。また予算も決まっているので、このしめきり前であっても、予算がいっぱいになれば受け付けが終了します(今回のしめきり以後も同様の補助金が交付されるかどうかはいまのところ不明です)。
さらに、この補助金はだれでも申し込めるわけではなく、以下の補助金を受けてここ数年に太陽光発電システムを設置した人のみに限られています。
補助金を申請するには、国の太陽光発電システムの補助金と同様に、工事前に申請して承認してもらい、工事が完了したら完了報告を行うという2段階の手続きが必要です。
手続きの詳細については、太陽光発電普及拡大センター(J-PEC)の説明ページを参照してください。
(2010/10/29 公開)
2015年3月末をもちまして補助金情報の提供は終了しました。