太陽生活ニュース

2009年11月1日より太陽光発電による余剰電力の倍額買い取り開始

経済産業省は、9月1日、1kW当たり48円(従来の2倍)で10年間、電力会社に売電できるようになる「太陽光発電の新たな買取制度」を本年11月1日より開始することを発表しました。

太陽光発電で発生した余剰電力は電力会社に売電しますが、現在、この際の価格は電気代(買電価格)と同額になっています。電力会社や契約内容にもよりますが、住宅向けの平均価格は24円/kWh程度とされています。これに対し新制度では、売電価格が2倍の48円/kWhになります。これにより太陽光発電システムのユーザーは、太陽光発電による余剰電力をいままでの倍額で売れることになり、導入初期にかかる設置費用の回収期間を短縮できるようになります。経済産業省の試算では、新築時に設置する場合は10年程度、既築住宅に設置する場合は15年程度で回収できるとしています。以下は、新築住宅に3.5kWの太陽光発電システムを設置する場合の10年後のコスト回収試算です。試算によれば、従来は37万円のマイナスだった10年後のコスト回収が、新制度下では13万円のプラスに転じるとしています。この経済産業省の試算については、別記事が詳しいので参照してください(→関連記事

新築住宅に太陽光発電システムを設置する場合の10年後のコスト回収

現行制度では、10年後も37万円のマイナスだが、新制度では売電額が2倍になり、10年で13万円の利益が出ると試算している。図は経済産業省の試算。条件などの詳細については関連記事を参照(→関連記事

太陽光発電システム導入時に給付される補助金は、システムを新しく設置する場合しか受け取れませんが、この買取策は、すべての太陽光発電ユーザーが対象です。すでにシステムを設置して使っているユーザーも恩恵に浴せます。

METI Journal 平成21年9・10月号

METI Journal 平成21年9・10月号

太陽光発電特集で新買取制度を詳しく紹介。

経済産業省は、太陽光発電システムの価格動向を見ながら将来の買取額を調整するとしていますが、今回申し込んだ人については、向こう10年間ずっと同じ買い取り額(48円/kWh)が適用されます。以後に買取額が安くなったとしても、すでに申し込んでいる人は影響を受けません。

新たな制度で増加する買取コストは、電気を利用するすべてのユーザーが負担することになります(全員参加)。標準的な一般家庭の場合、1カ月当たり数十円から100円程度が電気代に上乗せされると試算されています。

新たな買取制度については、経済産業省の広報誌「METI Journal」の平成21年9・10月号でわかりやすく紹介されています(以下のリンクから参照できます)。

(2009/9/4公開)