太陽生活ニュース

2011年2月25日(金) 15時15分 公開

JX日鉱日石エネルギー、小型化と発電効率向上を実現したSOFC型エネファームを10月に販売

JX日鉱日石エネルギーは、SOFC型の家庭用燃料電池システム「エネファーム」の販売を2011年10月に開始する予定だと発表した。価格は未定ながら、現行のエネファーム(270万円)と同程度を予定しているという。

SOFC型を採用したJX日鉱日石エネルギーのエネファーム

SOFC型を採用したJX日鉱日石エネルギーのエネファーム
燃料電池方式に高効率のSOFC型を採用することで、高い定格発電効率を実現している。(写真提供:JX日鉱日石エネルギー)


エネファームは、都市ガスやLPガスから取り出した水素を空気中の酸素と化学反応させて発電し、その際に出る熱を無駄にせず給湯や暖房に利用する機器。家庭で発電した電気をすぐに使うので送電ロスがないうえ、発電時の排熱を家庭で不可欠な給湯などに利用できるという特長を持つ。

これまで販売されてきたエネファームは、固体高分子形燃料電池(PEFC型:Polymer Electrolyte Fuel Cell)と呼ばれる電解質に高分子膜を用いた燃料電池方式が採用されてきた。PEFC型は、作動温度が低く起動・停止が容易なことから、早くに実用化されている。一方、今回JX日鉱日石エネルギーが発表した固体酸化物形燃料電池(SOFC型:Solid Oxide Fuel Cell)は、電解質にセラミックを用いることで、各種燃料電池の中でも発電効率が高いという特長を持つ。またPEFC型では不可欠だった貴金属が不要で、将来的なコストダウンの余地は大きいと期待される。

新製品のSOFC型は、PEFC型に比べ容積比で約40%小型化するとともに、定格発電効率45%(PEFC型は35%)を実現している。SOFC型では、燃料電池システムの効率が向上したことにより、貯湯温度が現行機の65度から75度に引き上げられている。これにより、貯湯量(90リットル、現行機は200リットル)を少なくでき、結果として貯湯ユニットの小型化が実現したということだ。発電ユニットも、PEFC型と比較し構造を簡略化でき、部品点数を削減して小型化を実現したとしている。

新製品の発電出力は700W(従来版は750W)。0~700Wの出力範囲で24時間の連続運転が可能で、家庭で使用する電力の約70%をまかなえるという。

今回の発表とともに、現行機の価格が改訂され、LPガス仕様の標準タイプが60万円値下げされ、270万円となった。都市ガス仕様は、これまで希望小売価格が設定されていなかったが、LPガス仕様と同じ270万円とされている。

これまでエネファームは、設置面積(容積)が大きいことや、高価格であることが普及の妨げになってきた。SOFC型の発表でエネファームの普及に弾みがつくか、気になるところだ。

《太陽生活ドットコム 小林》

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