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教えて!太陽光発電

第1時限目 太陽光発電って何かしら?

光(ひかり)博士:
本業は太陽光発電システムの研究だが、世の中に太陽光発電を普及させるために、初心者を対象とした太陽光発電の教室を開いている。

緑(みどり)ソーラー:
一男一女を持つ専業主婦。クリーンで家計も助かると聞き、太陽光発電に興味を持った。わからないことだらけなので、光博士の教室に勉強しにやってきた。

ここは太陽光発電の普及を進める光(ひかり)博士の研究室。太陽光発電についてわかりやすく教えてくれる教室があると知り、興味を持ったソーラーママがやってきた。

ごめんください。緑(みどり)ソーラーと申します。太陽光発電について教えてくれる教室というのはここですか?

ああ、電話をもらった緑ソーラーさんね。さあどうぞ。ワシの名は光(ひかり)。太陽光発電の普及が私の仕事じゃ。わからないことがあれば遠慮なく聞きなさい。

はい、光博士。

太陽光発電って、いくらかかるの?

ではさっそくですけど、太陽光発電を家につけるにはいくらかかるんですか?

いきなりそこからかい。それじゃ反対に尋ねるが、いま冷蔵庫はいくらするんじゃ?

そんなの簡単にいくらって答えられませんよ、博士。大きさもいろいろだし、ドアがいくつあるとか、勝手に氷ができるとか、誰がどこで、どんなふうに使うか教えてくれなきゃ。

そうじゃろうな。太陽光発電もそれと同じじゃ。太陽光発電がおおよそどんなもので、何が必要なのか。どんな種類があって、それぞれ何が違うのか、おおまかにでも知らないと、自分で考えられないし、値段を聞いてもそれが安いのか、高いのか、判断できんじゃろう。ここはひとつ少し辛抱して、勉強せにゃいかん。

うーん、そうですか…。

テレビのニュースなどで知っているかもしらんが、地球温暖化を防止するために、二酸化炭素の排出量を大幅に減らす必要がある。これに太陽光発電が有効なんじゃ。このため国や都道府県などが、太陽光発電を始める人に補助金を出したりしておる。太陽光発電を始めると電気代も安くなるし、勉強してうまく使えば、長い目で見て家計も得をするぞ。

えっ、家計にお得? それじゃあがんばらなくちゃ!

では、さっそく説明を始めるとしよう。

太陽のエネルギーって、そんなにすごいの!?

太陽光発電というのは、太陽の光のエネルギーで電気エネルギーを作ることじゃ。明るいところだと電池いらずで使える電卓は知っとるね。原理はあれと同じ。あれをもっと大がかりにして、冷蔵庫も洗濯機もエアコンも動かしてしまおうというのが太陽光発電じゃ。

太陽の光にエアコンを動かすようなエネルギーがあるんですか?

確かに直感的には分かりにくいじゃろうな。だが、ある試算によれば、地球に降り注ぐ太陽光エネルギーの1時間分で、世界で使うエネルギーの1年分をまかなえるといわれておる。

ええーっ! たった1時間で世界の1年分、ですか?

まぁ、もちろんこれは計算上のことで、現実はそう簡単な話ではない。ただ、太陽光はそれくらい大きなエネルギーを持っているということじゃ。

ふうーん。太陽ってスゴイんですね!

太陽光発電モジュール、これを屋根に置くんですね!

難しい話はさておき、まずは実物を見せよう。ほれ、これが太陽光発電モジュールと呼ばれるもんじゃ。これを屋根に置いて、太陽の光が当たると電気ができる。

太陽発電モジュール

光があたると、そのエネルギーを電気に変換する。(写真提供:シャープ)

へえー。よく見ると、小さな正方形の板が並んでいるんですね。ひとつ分は一辺15cmくらいかなぁ。

太陽電池セル

モジュールは、このセルが複数並べられたもの。表面の線は発電された電流が流れるところ。(写真提供:三洋電機)

うむ。それは太陽電池セルと呼ばれておる。つまり、太陽電池モジュールというのは、太陽電池セルが並べられたものなんじゃな。ちなみに、いま見ているセルは正方形じゃが、形や大きさはメーカーによっていろいろじゃよ。

博士、セルを近くで見ると青黒くて、まだら模様が入ってますね。

そう。まだら模様はシリコンの結晶じゃ。多結晶シリコンと呼ばれるものでな。詳しくはおいおい説明するとして、簡単にいうと、シリコンという原料をいったん溶かして、ゆっくり冷やして結晶化したものを四角く、薄く切ったものじゃ。

太陽電池セルの表面にある銀色の線は何ですか?

それは、できた電気が流れる線じゃ。発電された電気はここに集められて、家の中に送られるんじゃ。

なーるほど。

屋根のモジュールだけじゃなくて、まだ必要なものがあるの?

博士、これを屋根に置けば、電気代がダタになるんですね!

ちょ、ちょっと待ちなさい。そう簡単ではないんじゃ。太陽光発電に対応した家の模式図を見ながら説明しよう。

太陽光発電システム

太陽光発電で作った電気を使うには、屋根のモジュールだけでなく、パワー・コンディショナや電力モニタが必要。

太陽発電モジュールを屋根に置けば発電はできるが、それだけでは家の電気製品では使えんぞ。太陽光発電でできる電気は直流という種類なんじゃが、家のコンセントには交流という種類の電気がきておる。

直流? 交流?

うむ。技術的な話はさておき、発電所で作った電気を家庭まで送るときに、交流のほうが都合がいいんじゃ。だが太陽光発電モジュールでできる電気は直流なんじゃな。幸い、ちょっとした機器で直流から交流に変換することができる。これは「パワー・コンディショナ」と呼ばれるものじゃ。ちょうど、ソーラーママの家にもある電気のブレーカー・ボックスみたいな形をしたもんじゃよ。

パワー・コンディショナ

太陽光発電モジュールで作った電気を使うには、このパワー・コンディショナで直流電流を交流電流に変える必要がある。(写真提供:シャープ)

パワー・コンディショナ、ですか。

それから、これは必須というわけではないが、いまの発電状況を確認したいじゃろ。それには「電力モニタ」が必要になる。ほれ、電力モニタはこんな感じじゃ。まずはシャープさんの例。これを部屋の中の見やすい場所に置く。

電力モニタ(シャープの例)

現在どれだけ太陽光発電しているか、家庭内でどれだけ電気を使っているかなどを一望にできる。(写真提供:シャープ)

そしてこちらが三洋電機さんの例。

電力モニタ(三洋電機の例)

シャープの例よりもシンプル。発電、消費、売電などの情報は同じ。(写真提供:三洋電機)

「発電」というのがいま太陽光発電している電気で、「消費」というのが家でいま使っている電気、「売電」が電力会社に売っている電気じゃ。三洋電機さんの例なら、いま発電している電気が4.9kWで、家で使っている電気が3.7kW、すると発電のほうが消費より1.2kW多いから(4.9-3.7=1.2)、このあまった電気を電力会社に売っているということじゃな。

ふーん。ところでケーダブリュ「kW」ってのは何ですか?

ああそうね。これはキロワットということで、キロは1000だから1000Wということ。ワットは電球の明るさで知っているね。少し説明すると、ワットとは、発生する電気の量を表す単位じゃ。例えば1kW=1000Wなら、100Wの電球を10個点けることができるぐらいの電気ということ。それからシャープさんの場合は、モニタの上の方に「kWh」という表記があるじゃろう。これはワットに時間をかけたもので、例えば1kWhなら、1kWの電力を1時間発生したということじゃな。

うーん…。

まあよい。この数字が大きいほど、発電したり、使ったりしている電気が多いということじゃ。これがあれば、いまの消費電力量と発電量がすぐにわかる。電気の無駄遣いも手に取るようにわかるということじゃ。

なーるほど。

細かくいえばほかにもあるが、おおよそこんなところじゃな。必要な機材は。太陽光発電モジュールを屋根に乗せて、パワー・コンディショナにつないで、発電モニタをつなぐ。これらの機器一式をまとめて「太陽光発電システム」と呼ぶこともあるぞ。さて、今日のところはこの辺で。続きは次回にしよう。

ありがとうございました。

(2009/7/17公開)

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