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[製品比較]パワーコンディショナ(2010年7月版)

 この記事より新しいパワーコンディショナの比較表が公開されています。以下のリンクからご参照ください。

パワーコンディショナの選び方

パワーコンディショナは、屋根の太陽光発電モジュールで作った直流電流を家庭で使える交流電流に変換する、太陽光発電システムの主要機器の1つです。モジュールの仕様などはメーカーや製品ごとに異なるため、通常パワーコンディショナは、太陽光発電モジュールのメーカーと同一のものを選択します。同一メーカーに複数モデルがある場合は、設置する太陽光発電モジュールの最大出力などから機種を決定します。

パワーコンディショナだけを選んで、任意のメーカーのモジュールと組み合わせるというわけにはいきませんが、重要な機器ですから、メーカーごとにどのような違いがあるのか、選択時にある程度知っておく必要はあるでしょう。

以下にメーカーごとの機種の基本仕様を比較しますが、その前に、いくつかの重要な項目について簡単に説明しておきましょう。

最大定格出力

最大定格出力は、出力可能な電力の最大値です。接続する太陽光発電モジュールの最大出力は、基本的にはこのパワーコンディショナの最大定格出力以下でなければなりません。表を見るとわかるとおり、ほとんどのメーカーが最大定格出力4kWのものと、5.5kWのものをラインアップしています。太陽光発電モジュールの発電容量が、4kW以下ならば最大定格出力4kWのものを、5.5kW以下ならば最大定格出力5.5kWを選択することになります。

ただメーカーによっては、パワーコンディショナの最大定格出力の1.2倍から1.3倍の太陽光発電モジュールが接続可能なものもあります(この接続可能な定格出力の範囲は、メーカーによって異なります。また、三洋電機のように最大定格出力以内でしか接続できないところもあります)。これは太陽光発電モジュールが、設計上の最大出力を継続的に発電することがほとんどないことや、設置条件などによって多くの家庭で実効発電容量が8割程度になることから許容されているようです。とはいえ、パワーコンディショナの最大定格出力以上の太陽電池モジュールを接続すると、仮に好条件がそろってパワーコンディショナの定格出力を超えた発電が行われた場合、パワーコンディショナの定格出力以上の電気は変換できずに捨てられてしまうことになります。

同一メーカーならば、最大定格出力の大きなパワーコンディショナのほうが価格が高い傾向にあります。つまり最大定格出力の小さなパワーコンディショナのほうが、設置費用を安価にできます。このため業者によっては、4kWを少し超えた発電容量の太陽光発電モジュールを設置するような場合に、最大定格出力4kWのパワーコンディショナの設置を勧めるところもあるようです。前記のとおり、現実的にはあまり問題はないのかもしれませんが、最大定格出力以上の電気が発電されると、パワーコンディショナに負荷がかかり、寿命が短くなるのではないかといった懸念も聞かれます。このような場合は、メーカーの保証範囲内なのかどうかを事前に業者に確認するとよいでしょう。


変換効率

パワーコンディショナで直流から交流に変換する際、多少の変換ロスが生じます。いうまでもなく、ロスは少ないほど、電気の無駄が減ります。ほとんどの機種の変換効率は94%前後となっていますが、三菱電機のPV-PN40G/PV-PN55Gは97%前後と高い変換効率を実現しています。

大ざっぱな例ですが、3.0kWの発電を行っても、パワーコンディショナの変換効率が94%の場合、6%がロスしてしまい、2.82kW分しか電気として利用できないことになります。ところが、変換効率が98%の場合、ロスは2%となり、2.94kW分の電気が利用できます。この差は、0.12kWとあまりないように思えますが、太陽光発電システムは10年、20年と長期間利用するものなので、蓄積すると大きな違いとなります。


運転音

パワーコンディショナは、運転開始時/終了時にスイッチ音がしたり、運転時に冷却ファンから高周波音が発生したりします。カタログ値によれば、運転音が大きな製品でも41dB以下と、図書館内とほぼ同等のしずかさなので、一般的な生活においては気にする必要はありません。ただ、聴覚感度が高い人にとって不快に感じる場合があるようなので、そのような家族がいる場合は、設置場所を考えたほうがよいでしょう。


大きさ/設置場所

パワーコンディショナの大きさは、小型のエアコン程度あります。屋内型の場合、屋内配線の関係からブレーカーの近くに設置するケースが多いようです。ただ、ブレーカーは玄関や台所などに設置されていることも多く、近くに設置場所が確保できないこともあります。パワーコンディショナの設置場所をどこにするのか、事前に施工業者と協議しておくとよいでしょう。

また一部のメーカーでは、家の外壁に設置できる屋外型も用意されています。屋内にパワーコンディショナの設置場所がないような場合は、屋外型を検討するとよいでしょう。


[表の見方]

  • 価格は、メーカー希望小売価格(カタログ価格)を記載しています。実際の販売価格とは異なります。

  • 定格出力(最大)は、パワーコンディショナが変換可能な電力の最大値です。一般にパワーコンディショナに接続可能な太陽光発電モジュールの発電容量は、この値よりも小さいことが求められます。
  • 変換効率は、メーカーが公表しているものです。変換効率が高い(値が大きい)パワーコンディショナは、無駄なく太陽光発電モジュールで発電した直流の電気を家庭内で利用可能にする交流に変換できることになります。

基本仕様

メーカー シリーズ 型名 価格
(税込)
最大定格出力 定格入力電圧 入力運転電圧範囲 電力変換効率 運転音 外形寸法
(W×H×D mm)
重量 自立運転用コンセント 接続箱機能 設置場所 商品ページ
京セラ エコノラインEX PVN-403F 346,500円 4.0kW DC250V DC100~370V 94.0% 40dB以下 460×280×115 13.0kg - 屋内用
京セラ エコノラインEX PVN-551B 504,000円 5.5kW DC250V DC70~380V 94.5% 35dB以下 580×280×162 19.0kg - 屋内用
サンテックパワー KP40H/KP40H-ST 346,500円 4.0kW DC250V DC100~370V 94.5% 460×280×116 13.0kg - 屋内用
サンテックパワー KP55F-N 504,000円 5.5kW DC240V DC100~370V 94.0% 550×280×160 24.0kg - 屋内用
三洋電機 SSI-TL27A1 231,000円 2.7kW DC250V DC70~380V 94.5% 34dB以下 490×270×156 13.0kg - 屋内用
三洋電機 SSI-TL40A4 309,750円 4.0kW DC250V DC70~380V 94.5% 34dB以下 490×270×156 14.0kg - 屋内用
三洋電機 SSI-TL55A2 420,000円 5.5kW DC250V DC70~380V 94.5% 34dB以下 580×280×162 18.5kg - 屋内用
シャープ ワイドレンジ JH-M0B2 244,230円 4.0kW DC280V DC80~420V 94.5% 27dB以下 600×400×180 27.0kg △(専用コンセントの設置が必要) 屋外・屋内兼用
シャープ ワイドレンジ JH-M0C3 274,260円 4.0kW DC250V DC80~380V 94.0% 35dB以下 666×429×201 25.0kg △(専用コンセントの設置が必要) 屋外用
シャープ ワイドレンジ JH-G0C4 349,860円 5.5kW DC250V DC80~380V 94.0% 41dB以下 666×429×201 27.0kg △(専用コンセントの設置が必要) 屋外用
シャープ ストリング JH-S9Y2 オープン 3.0kW DC250V DC80~350V 94.5% 35dB以下 560×408×177 24.0kg △(専用コンセントの設置が必要) 屋外用
シャープ ストリング JH-L9Y3 オープン 4.5kW DC250V DC80~350V 94.0% 41dB以下 637×408×177 27.0kg △(専用コンセントの設置が必要) 屋外用
シャープ ダブルレンジ JH-S9Z11 オープン 2.5kW DC250V
(低電圧時140V)
DC80~350V
(低電圧時40~175V)
93.5% 35dB以下 560×408×177 24.0kg △(専用コンセントの設置が必要) 屋外用
シャープ ダブルレンジ JH-L9Z12 オープン 3.5kW DC250V
(低電圧時140V)
DC80~350V
(低電圧時40~175V)
93.0% 41dB以下 637×408×177 27.0kg △(専用コンセントの設置が必要) 屋外用
ソーラーフロンティア SPC2702 231,000円 2.7kW DC90~380V 94.5% 490×270×156 13.0kg - 屋内用
ソーラーフロンティア SPC4002 315,000円 4.0kW DC90~380V 94.5% 490×270×156 14.0kg - 屋内用
ソーラーフロンティア SPC5502 420,000円 5.5kW DC90~380V 94.5% 580×280×162 18.5kg - 屋内用
東芝 TPV-PCS0400A 304,500円 4.0kW DC250V DC100~370V 94.0% 460×280×116 13.0kg - 屋内用
東芝 TPV-PCS0550A 420,000円 5.5kW DC240V DC100~370V 94.0% 550×280×160 24.0kg - 屋内用
長州産業 PCS-40Z1 312,900円 4.0kW DC250V DC0~370V 94.0% 460×280×116 13.0kg - 屋内用
長州産業 KP55F-N 430,500円 5.5kW DC240V DC0~370V 94.0% 550×280×160 24.0kg - 屋内用
ホンダソルテック HEP040 225,750円 4.0kW DC250V DC0~370V 94.0% 460×280×116 13.0kg - 屋内用
三菱電機 PV-PS18G 273,000円 1.8kW DC234V DC50~350V 93.5% 36dB以下 520×340×160 16.7kg - 屋外・屋内兼用
三菱電機 PV-PN30G 299,250円 3.0kW DC250V DC115~380V 95.5% 36dB以下 430×240×140 14.4kg - 屋内用
三菱電機 PV-PN40G 367,500円 4.0kW DC245V DC50~380V 97.5% 30dB以下 460×240×140 14.7kg - 屋内用
三菱電機 PV-PN55G 525,000円 5.5kW DC245V DC50~380V 96.5% 30dB以下 635×240×165 22.7kg - 屋内用

(2010年6月末調査)

各社のパワーコンディショナー

(2011/3/15 更新)


更新履歴

  • サンテックパワー、三洋電機、シャープ各社の「自立運転用コンセント」の項目に誤りがありましたので修正しました。(2011/3/15)