太陽光発電システムの最大出力は、そのシステムの能力を示す数値で、この値が大きいほど、同じ日照条件でより多くの電気を発電できます。単位はW(ワット)です。日本の一戸建て住宅に搭載される平均的な太陽光発電システムの最大出力は3.5kW(=3500W)程度といわれています。
まず、太陽光発電モジュールには、製品ごとにメーカーが公表する最大出力値があります。例えば以下は、シャープの製品カタログの一部です。
通常モジュールのカタログでは、このようにそのモジュールの最大出力が表記されます。この例では191Wとありますから、このモジュールを10枚設置すれば、最大出力は191W×10枚=1910W=1.91kWとなります。同様に20枚設置すれば、最大出力は191W×20枚=3820W=3.82kWです。
このように、多くのモジュールを設置するほど、最大出力は大きくなります。つまり、最大出力値は、太陽光発電モジュールの設置面積によって変わります。
もう1つ。前記のカタログには「変換効率」(この例では14.4%)が表記されています。変換効率は、モジュールに入射した太陽光のエネルギーのうち、どれだけを電気エネルギーに変換できるかを示した割合です。この変換効率が大きいほど、同じ日照で単位面積当たりに発電できる電気の量が増えます。つまり同じ大きさのモジュールであっても、変換効率が大きいモジュールのほうが、小さいモジュールよりも最大出力が大きくなるということです。
残念ながら、日本の住宅の屋根は一般にあまり広くありません。また屋根の方角や形状、周囲の障害物(日照をさえぎる障害物)などの条件により、太陽光発電モジュールを設置できる屋根の部分は制限されます。できるだけ多くの最大出力を得たければ、できるだけ変換効率の高いモジュールを選択し、より多くのモジュールを設置することです。ただし当然ですが、変換効率の高いモジュールはそうでないものより一般に高価で、設置するモジュールを増やせばそれだけ設置費用が増えます。最終的には、設置費用と必要な最大出力をバランスしてモジュールのメーカーや型式、数を選択することになります。
(2009/7/17 公開)
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