ローンを使って太陽光発電システムを設置する人も多いでしょう。ほとんどの場合、太陽光発電システムの設置工事業者は、クレジット会社などと提携しており、顧客がローンでの購入を希望する場合に、簡単な手続きでローンを利用できるようにしてくれています。
ほかの手続きとローンの手続きをまとめて業者がやってくれるので、業者が提供する提携ローンを使うのがラクです。しかし、この際のローンの金利は業者が提携しているクレジット会社や、各種条件によってまちまちです。場合によっては、一般的なローンよりも金利が高い場合があります。最近では、銀行などが、太陽光発電システムなどの設置を対象として金利を優遇した、いわゆる「ソーラー・ローン」などを提供しています。ケースによっては、設置工事業者の提携ローンよりも、こうした銀行など別のローンを利用したほうが、金利が有利になる場合もあるようです。借入金額や返済期間にもよりますが、少しの金利の違いでも、長い目でみるとけっこうな金額の差が生じますから注意が必要です。
ただし工事業者の提携ローンではなく、銀行のローンを使う場合、銀行へのローンの申込みや、設置工事業者とのやり取りは、自分自身で行う必要があります。ここでは、典型的な銀行のソーラー・ローンを例にとり、設置工事業者、銀行とのやり取りの流れをまとめてみましょう。
全体の流れを図にすると次のようになります。以下はこの図を見ながら、順を追って説明しましょう。
銀行のソーラー・ローンを利用する場合の処理の流れ
まずは信頼できる設置工事業者を見つけて、見積もりをとりましょう。このとき、業者の提携ローンで購入するとしたら、金利などの条件がどうなるのかも併せて聞いておきます。見積もりが出たら、各種設置条件や工事金額などの内容を確認し、購入に向けた資金計画を検討します。
ローンで購入すると決めたら、業者の提携ローンを使うかどうかを検討します。すでに説明したとおり、業者の提携ローンの金利が銀行のソーラー・ローンと変わらないのであれば、手続きはこちらのほうがラクです。しかし金利などで不満があるなら、インターネットなどを検索し、銀行など外部のローンを利用できないか調査してください。
利用可能な銀行ローンが見つかったら、銀行から申込書をもらいます。申込書をもらったからといって、申し込まなければいけないということはありませんから、候補となる銀行が複数あるなら、条件などを詳しく吟味するためにも、各社の申込書をもらいましょう。
申し込む銀行ローンを決めたら、まずは設置工事業者に提携ローンでなく銀行ローンを使うことを告げます。ローンの審査結果が出るまで、正式な工事契約を待ってもらうためです。
ローンの申込みには、工事の見積書と設置する住宅の登記簿謄本、本人確認書類、年収証明書(納税証明書など)などの書類が必要になります。これらと必要事項を記入した申込書を銀行に郵送して、融資が可能かどうかを審査してもらいます。
審査の結果、融資が可能であれば、融資可能との通知と、ローンの契約書が銀行から送られてきます。購入資金のめどが立ったら、設置工事業者に連絡して、正式に工事契約を結び、工事の日程を決めます。
銀行から送られてきた契約書に必要事項を記入して、必要な書類を銀行に返送します。この段階ではまだ融資は実行されません。
設置工事が完了したら、設置工事業者に「工事完了報告書」を作成してもらい、それを銀行に送り、工事が終了したことを通知します。
銀行は、予定されていた太陽光発電システムの設置工事が間違いなく実施されたことを確認して、あなたの銀行口座に融資のお金を振り込みます。
銀行から融資を受けたお金を、工事代金として設置工事業者の銀行口座に振り込みます。銀行によっては、あなたの銀行口座にお金を振り込んだ直後に、そのまま設置工事業者の口座に振り出す処理もまとめて実施する場合もあるようです。
このように設置工事業者の提携ローンではなく、銀行のローンを利用した場合、自分で多くの書類を用意したり、手続きをしたりと手間がかかります。しかし借入金額や返済期間によっては、手間に見合った金額差になります。手軽な設置工事業者の提携ローンだけでなく、外部の銀行のローンの金利についても併せて調査してみるとよいでしょう。
(2010/8/25 公開)
2015年3月末をもちまして補助金情報の提供は終了しました。