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よくある質問

グリーン電力価値って何ですか?

太陽光発電では、太陽の光から電気を作り出します。こうして作った電気は、家にある電気製品で使ったり、余剰電力として売電してお金と交換したりできます。説明するまでもなく、電気には価値があるからお金と交換できるわけです。

このように太陽光発電では、価値ある電気を作り出します。けれども太陽光発電が作り出す価値は電気だけではありません。電気に加えて作り出すのが「グリーン電力価値」と呼ばれるものです。

太陽光発電が作り出す価値

太陽光発電が作り出す価値

困ったことに、グリーン電力価値は目に見えません。発電モニタにも表示されませんし、電気のように自分の家で使うこともできません。このため非常にわかりにくいものです。いわばグリーン電力価値は、「CO2(二酸化炭素)を放出せず、クリーンな電気を作った」ことに対する価値で、「環境にあまり負担をかけずに電気を作った価値」ということで、広く「環境価値」といわれることもあります。

ご存じのとおり、CO2は地球温暖化の原因の1つといわれており、その排出を世界的に制限しようとしています。CO2削減に向けた基本的な考え方は、簡単にいえば「CO2の排出に課金する」というものです。ここでは詳しくは述べませんが、ニュースなどで見かける「二酸化炭素(CO2)の排出権取引」というのは、「CO2排出」や「課金」の部分を、他の商品と同じく市場で取引できるようにしようというものです。まあ難しいことはともかくとして、「CO2を出さないで電気を作る」という仕事自体に、金銭的な価値があるということです。

グリーン電力価値自体は昔からあったのですが、一軒の住宅で得られる価値は比較的小さく、価値を認めてもらうには正確なメーターを追加設置する必要があったりしたことから、これまではあまり利用されていませんでした。けれども2011年度(平成23年度)の国の補助金では、太陽光発電によるグリーン電力価値を提供することが補助金受給の条件になりました。単に補助金を受給するだけなら、詳しく知らなくてもあまり問題はありませんが、グリーン電力価値についてもう少し詳しく知りたいという人向けに説明します。

グリーン電力価値とお金の交換

以下は、グリーン電力価値とお金がどのようにして交換されるのかを図にしたものです。

グリーン電力価値の取引の流れ

グリーン電力価値の取引の流れ

この図を使って、順に説明していきましょう。

環境価値のない発電と、環境価値のある発電

まずは図の上側に注目してください。火力発電など、大量のCO2排出を伴う発電方法と、CO2排出を伴わないクリーンな太陽光発電があります。このうち火力発電でできた電気はクリーンでない電力であり、太陽光発電でできたほうはクリーンな電力というわけです。たとえば電気に色でもついていて、どちらで作った電気なのか、使うときにわかるならよいのですが、実際には電気に色はついておらず、見分けがつきません。山々から流れてきた川の水が、どの山からどれだけ流れ出たものかを区別できないのと同じです。

目に見えない「グリーン電力価値」を目に見える「グリーン電力証書」に換える

このため「グリーン電力価値」とお金を取引できるようにするには、それを目に見えるようにしないといけません。これが「グリーン電力証書」と呼ばれるものです。

太陽光発電している人は、自分がどれだけ太陽光発電で電気を作ったのかをグリーン電力証書の発行機関に報告します。連絡を受けた発行機関では、報告が間違いないことを確認したうえで、報告されたグリーン電力価値分のグリーン電力証書を発行します。

環境保護への貢献をアピールしたい企業がグリーン電力証書を購入

将来的には、日本でもCO2の排出権取引が始まるものと思いますが、現時点ではまだ検討段階です。しかし消費者の環境保護意識は非常に高まってきており、「環境保護」が製品選択の大きな要因の1つになってきました。このため企業は、自社が環境保護に積極的であることを消費者に訴える必要が出てきています(このような企業の社会貢献活動は、CSR(Corporate Social Responsibility)と呼ばれています)。

つまり、社会貢献を消費者に訴えたい企業は、グリーン電力証書を購入する代わりに「自社は環境負荷の小さな電力を使っている」と消費者にアピールできるようになるわけです。

企業が支払ったグリーン電力証書の購入代金は、グリーン電力発行機関から、太陽光発電をした人などに戻されます。こうして太陽光発電のような自然エネルギー利用に対し、作った電力の売電だけではない経済メリットを作ることで、さらなる自然エネルギー利用を推進する狙いがあります。

2011年度の国の補助金を受給するにあたっては、グリーン電力価値の提供が前提になりました。これは、従来は活用されていなかった住宅用太陽光発電の環境価値を有効に活用する目的があります。

(2011/4/30 公開)

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