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パナソニック・グループ、2012年に国内No.1の太陽電池事業ベンダに

パナソニックは、2010年1月8日に2010年度の経営方針を発表しました。発表によると、三洋電機(2009年12月に子会社化)のHIT太陽電池の増産を目的に、2015年度までに1000億円規模の投資を行うということです。同社の太陽電池セルの年間生産能力は現在340MWですが、2010年度末に約600MW、2015年度までに1500MW規模まで増強するとしています。

また三洋電機の技術力に加え、パナソニックとパナソニック電工の販売チャネルやエネルギー管理技術、建材/電材技術などを合わせて、事業を拡大すると述べています。これにより、2012年度には国内首位、2015年度には世界トップ3(2008年は三洋電機単独で11位)の太陽電池ベンダになることを目指すということです。

パナソニック・グループの太陽電池事業の拡大について(2010年度経営方針のプレゼンテーション資料より)
三洋電機のHIT太陽電池や薄膜太陽電池技術と、パナソニックの販売チャネル、エネルギー管理技術、建材/電材技術などにより、2015年には世界トップ3入りを目指すとしている。またHIT太陽電池の生産能力も増強するとしていることから、品薄といわれている状況が改善する可能性がある。

発表においては、パナソニック・グループで住宅事業を手がけるパナホームとの協業については触れられていませんでしたが、当然ながらパナホームが販売する住宅においても、HIT太陽電池が採用されるようになることが予想されます(現在は京セラの太陽電池を採用しています)。

HIT太陽電池は、結晶シリコンと薄膜のアモルファス・シリコンを重ね合わせたハイブリッド型を採用しており、他社製の太陽電池に比べ、変換効率が高く、温度上昇による発電効率の低下が少ないなど、日本の狭い屋根で高い発電量を実現するのに有利なものとなっています。一方、構造が複雑であることなどから、価格が高い傾向にあります。

今回発表の投資により、製品供給能力が高まり、大量生産によるコストダウンなどで低価格化が実現できれば、特に日本では非常に魅力的な選択肢になりえます。今回の発表が順調に進むと、今後国内のHIT太陽電池の製品事情は供給量や価格面などで大きく変わる可能性があります。これから設置を検討している人は、三洋電機のHIT太陽電池の動向に注目しましょう。

(2010/1/18 公開)

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