2010年1月17日付の日本経済新聞朝刊において「韓国製などの太陽光発電パネルの販売事業への参入が相次いる」という報道がありました。
物流・包装資材、太陽光発電装置の販売などを手掛ける新興マタイ株式会社が2009年8月から、シロアリ駆除など家庭向けサービスを手掛ける株式会社サニックスが2009年10月から、それぞれ韓国製の太陽光発電パネルの販売を開始しています。日本経済新聞の記事によれば、サニックスは2カ月足らずで500件、1600kW相当を販売したということです。日本製の太陽光発電パネルよりも割安なこと、太陽光発電普及拡大センター(J-PEC)(→用語解説)の登録製品となっており補助金の受給ができることなどから、販売数量が伸びているようです。
現在、新興マタイはS-ENERGYとKD Solar、サニックスはLS産電の製品をそれぞれ扱っています。またサニックスでは、現代重工業の取り扱いを予定しているとしています。2009年には、サムスン電子やLGエレクトロニクスといった韓国の大手エレクトロニクス・ベンダが太陽光発電パネルの製造事業へ参入することを発表しました。2010年2月3日から5日にわたって大韓民国高陽市の韓国国際展示場(KINTEX)で開催されるEXPO Solar 2010において、サムスン電子とLGエレクトロニクスの両社が太陽光発電パネルの製品を展示することを明らかにしています。
海外製の太陽光発電パネルというと、すでに中国の太陽電池製造大手のサンテック・パワーがヤマダ電機と提携して、ヤマダ電機の店頭での販売を開始するなどしています。さらに韓国製の太陽光発電パネルの販売が加わることで、パネルの販売競争がさらに激しくなりそうです。小売り商品ではないので、そう単純にはいかないでしょうが、プレイヤーが増えて販売競争が激しくなれば、パネルの低価格化につながっていくかもしれません。いずれにしても、選択肢の幅が広がるのは、消費者としてはありがたいことです。
一方、韓国における太陽光発電パネルの製造は比較的歴史が浅いため、国内メーカーに比べて製造実績もそれほど多くありません。品質がどれほどのものなのか気になるところです。太陽光発電パネルは10年、20年と長期間にわたって利用するものなので、価格だけでなく、製品の品質面、万一の際の保証面にも気を配る必要があるでしょう。
(2010/2/2 公開)
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