三菱電機は、太陽電池セル(→ 用語解説)内の縦の電極線(バスバー電極といいます)の数を従来の2本から4本に増やすことで、セル1枚あたりの出力を向上させた「大出力無鉛はんだ太陽電池モジュール 190Wシリーズ」を発表しました。
バスバー電極の数を増やすと、その分だけ集光面積が少なくなるため、結果的にセル変換効率が低下することになります。そこで、三菱電機では、集光面積を確保するために、各バスバー電極の幅を狭くすることで、従来と同様の集光面積を確保しています。一方で、バスバー電極を2本から4本に増やしたことにより、セル内の電気抵抗が低減され、約3%の発電出力の向上を実現したということです。
今回発表した「大出力無鉛はんだ太陽電池モジュール 190Wシリーズ」の内訳は下表のとおりです。
三菱電機の「大出力無鉛はんだ太陽電池モジュール 190Wシリーズ」の内訳 | ||||
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形名 | 形状 | 価格(税込) | 公称最大出力 | 販売開始時期 |
PV-MX190HA | 標準(長方形) | 11万9700円 | 190W | 6月10日 |
PV-MX095HHA | 正方形(ハーフ) | 6万5835円 | 95W | 6月10日 |
PV-MX095HLA | 台形(左用) | 7万1820円 | 95W | 6月10日 |
PV-MX095HRA | 台形(右用) | 7万1820円 | 95W | 6月10日 |
モジュール1枚あたりの出力は、標準モジュールは従来品の185Wから190Wに、正方形(ハーフ)と台形モジュールは92.5Wから95Wにアップしています。これにより、同じ条件で屋根に設置した場合、従来品と比べて約3%の出力向上が実現するとしています。例えば、従来品で3.7kWのシステムが設置可能な屋根において、新製品なら同一枚数/配置で3.8kWのシステムを設置可能です。
「大出力無鉛はんだ太陽電池モジュール 190Wシリーズ」の標準モジュールは、背面にプロテクション・バーを装備したことで、積雪1.5mの多雪地域まで設置できます。さらに3層構造のバック・フィルムや、耐蝕性メッキを施したフレームやネジ類の採用により、塩害地域でも標準品でカバーできるということです。
三菱電機では、中津川製作所飯田工場内に太陽電池セル第2工場が完成したことも発表しています。この発表の中で、高効率の単結晶シリコン太陽電池モジュール(→用語解説)をラインアップに加え、現在生産中の多結晶シリコン太陽電池モジュールとの2系列で販売することを明らかにしています。
(2010/3/4 公開)
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