ガラス基盤の上に、薄いシリコン膜を何層にも積み重ねて製造する太陽電池。
一般的な結晶型シリコン太陽電池は、シリコンをインゴットとして固め、薄くスライスして製造されるため、大量の原料シリコンが必要になります。これに対しシリコン薄膜太陽電池のシリコンの厚さは、十~数十μmと、一般的な多結晶シリコン型太陽電池の10分の1以下です。このため必要なシリコン原料は、結晶型シリコン太陽電池に比較して100分の1程度で済むといわれています。
近年の急速な太陽電池の普及から、原料シリコンが高騰し、わずかなシリコン原料で製造できるシリコン薄膜太陽電池に注目が集まりました。
シリコン薄膜太陽電池の欠点は、結晶型に比較すると変換効率が低いことです。技術開発により効率は向上されつつありますが、現在のシリコン薄膜太陽電池の発電効率は8~10%程度であるのに対し、多結晶シリコン型太陽電池は12~16%といわれます。ただシリコン薄膜太陽電池は、温度が高くなっても変換効率が低くならないという特長があるため、夏場でも安定した出力を得ることができます。年間をとおした発電量では、多結晶シリコン型太陽電池とそれほど変わらないともいわれています。
なお変換効率が低い太陽電池は、変換効率が高い太陽電池と同量の電力を発電するには、より広い面積が必要になります。
(2009/7/17公開)
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