停電しているときでも、昼間、ソーラー・パネルで太陽光発電した電気が一定量以上あるときには、その電気を家の家電製品で使うことができます。つまり停電したときでも、テレビを接続して見たり、携帯電話を充電したり、炊飯器でご飯を炊いたりできるわけです。
ただし、通常の状態のままで停電すると、パワーコンディショナも機能が停止してしまい、たとえ屋根の上のソーラー・パネルが発電していても、電気は使えません(ソーラー・パネルのない家と同じく、停電した状態になります)。発電している電気を停電中に使うには、パワーコンディショナを「自立運転モード」に切り替えて、「自立運転用コンセント(→用語解説)」に使いたい機器を接続する必要があります。現在販売されている太陽光発電システムの多くは、この自立運転用コンセントを備えていますが、一部の機種や設置工事の内容によっては、コンセントがない場合もあります。また自立運転用コンセントに接続できる容量には上限(通常は1500W)があるので、家じゅうの電気機器をすべて接続して使えるわけではありません。そして当然ですが、夜間は太陽光発電できないので使えませんし、くもりなどで発電量が少ないときも、使える機器が制限されたりします。
自立運転モードにして、専用コンセントに機器をつなげば、停電時でも自宅で太陽光発電した電気を使える
ほどんどの太陽光発電システムには、停電時に太陽光発電した電気を使えるようにするための「自立運転用コンセント」(「非常用コンセント」と呼ばれる場合もあります)が用意されています。停電時に、このコンセントに電気製品を接続して、太陽光発電した電気を使うためには、以下のような手順に従います。順を追って説明しましょう。
自立運転用コンセントの使用手順
環境省が公開している資料「太陽光発電の賢い使い方 ― 停電・災害時の自立運転コンセントの活用」(太陽光発電ネットワーク 編集協力、関連リンク参照)には、実際に自立運転用コンセントにさまざまな機器を接続して、使えるかどうかを実験した結果が紹介されています。これによれば、太陽光発電による発電量が1.5KWを超えていれば、ブラウン管のテレビや携帯電話の充電器は問題なく使え、冷蔵庫や電気ポット、炊飯器、電子レンジはほぼ使え、掃除機や洗濯機も場合によって使えたと報告されています。ブラウン管のテレビが大丈夫なのですから、大画面のものでなければ、現在一般的な液晶テレビも大丈夫でしょう。エアコンや大容量のオーブンレンジなどは、さすがに使うのは難しいようです。また前述したとおり、自立運転用コンセントに接続できる電気機器は1500Wまでです。小容量のものなら、いくつかの機器を接続して使える場合もありますが、あまり多数の機器を接続して使うのは無理です。
ただし日照が十分でないなど、発電量が1.5kWを下回ると、機器の動作が不安定になったり、使えなくなったりするようです。ハードディスクが内蔵されたパソコンは、突然の電源の遮断によってデータが破壊される恐れがあります。電力会社からの安定的な電気ではないので、使用する機器の性格も考えて使う必要があります。
停電が終了したら、自立運転モードも終了して、通常の状態に戻します。これには、自立運転モードを解除する→太陽光発電用ブレーカーをオンにする→メインブレーカーをオンにする、という手順で操作します。
(2011/3/30 更新)
2015年3月末をもちまして補助金情報の提供は終了しました。