経済産業省ならびに太陽光発電普及拡大センター(J-PEC)(→用語解説)は、平成22年度の住宅用太陽光発電向けの補助金額と支給対象の条件について発表しました。
補助金額は、平成21年度(2009年度)と同額の7万円/kWです。ただし、対象となる「kWあたりのシステム価格」が変更になりました。平成21年度は70万円/kW以下(税抜き)の太陽光発電システム(施工費なども含む)が対象でしたが、平成22年度では65万円/kW(税抜き)以下が対象と、5万円/kWの減額が行われています。これは、太陽光発電システムの実勢価格が低下してきたことを反映するとともに、普及拡大を図るために低価格化を促すという両面から決められたものです(国の補助金を受け取れるようにするために、工事業者は設置費用をkWあたり65万円以下に抑えなければならないため)。
補助金の予算は401.5億円で、J-PECの資料によれば、15万戸分程度に支給が可能だとしています。平成21年度の支給実績は13万4000戸なので、応募戸数が同程度であれば全員に支給されますが、関心の高まりから、前年度よりも大幅に戸数が増える可能性もあります。期の途中で予算が終了してしまわないか、特に期の後半で設置を予定している人は注意が必要でしょう。
そのほか、電気安全環境研究所(JET)の「太陽電池モジュール認証」(→関連記事)相当を受けていること、性能の保証(10年保証)や設置後のサポートがメーカーなどによって確保されていること、などの条件は平成21年度と同じです。
また受付窓口についても、平成21年度と同様、各都道府県の窓口団体となります。そこでの一次審査、J-PECの二次審査を経て、交付が決定されます。なお補助金の申請は、太陽光発電システムの工事着工前に行い、交付決定通知の発行後に工事を開始する必要があります(決定通知発行前に着工してしまうと、補助金を受け取れません)。申請から交付決定(工事着工)までは、J-PECの15稼働日が必要になります(余裕をもって3週間程度と考えるといいようです)。
なお平成22年度の補助金募集は4月中旬から下旬に開始される予定です。申請の詳細については4月中旬に発表するとされています。
前述のように、平成22年度の補助金では、kWあたりのシステム価格が65万円以下になりました。これはメーカーやソーラー・パネルの種類に関係なく適用されます。また「システム価格」には、ソーラー・パネルなどの部材だけでなく、基本的な工事費用も含まれます。選択するパネルや屋根の種類、施工方法などによって、システム価格は変わるので注意が必要です(ただし屋根の補強など、一部の追加工事については、システム価格から除外されるものがあります)。
何らかの理由でkWあたりのシステム価格が65万円を超えてしまうと、国の補助金の支給対象外となり、補助金をもらえません。通常の設置工事業者なら、きちんと補助金を受け取れるように手配してくれるはずですが、なかにはいい加減な説明で対象外の工事を強要するような場合もあるようです。そうした悪質なケースは例外的ではあれ、業者の説明に十分に納得できない場合には、最終的な工事契約は結ばないようにしましょう。
(2010/4/1 公開)
2015年3月末をもちまして補助金情報の提供は終了しました。