ソーラーフロンティアは、世界最大規模の生産能力で設計された宮崎第3工場(国富工場)の一部生産ラインの稼働を開始したと発表した。
ソーラーフロンティアは、太陽電池として一般的なシリコン結晶型ではなく、銅(Cu)、インジウム(In)、セレン(Se)の3つの元素からなる化合物半導体の薄膜を利用したCIS太陽電池(→ 用語解説)を生産している。
今回の宮崎第3工場では、すでに稼働している宮崎第2工場に比べて、装置の大型化や自動化、モジュール面積の大型化を行うことで、生産効率を向上。年間生産能力は900MW(メガワット。1MW=1000kW)と、現在主力工場として稼働中の宮崎第2工場(年間生産能力60MW)の10倍以上の能力を持つ。2011年7月にはフル生産体制を整え、稼働中の宮崎第1工場(年間生産能力20MW)と宮崎第2工場を合わせて約1GW(ギガワット。1GW=1000MW)の生産能力を実現する。
2010年時点のメーカー別太陽電池生産量は、中国のサンテックパワーが約1.25GWで世界1位となっている。今回の新工場の稼働により、ソーラーフロンティアが生産量で世界上位に食い込む可能性が出てくる。一般に生産量を大規模化すると、コストが下がって価格競争力が増す。CIS太陽電池はまだ一般の住宅向けには普及していないが、いっそうの価格競争力の強化により、普及に弾みがつく可能性もある。
(2011/2/16 公開)
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