屋根用の薄い板瓦のこと。薄く比較的軽い、低コスト、いろいろな色が選択できるなどの利点があることから、多くの住宅で使われています。
スレートとは「粘板岩」のことです。製品には、天然の粘板岩を使った「天然スレート」と人工の無石綿セメントを使った「化粧スレート」があります。化粧スレートはケイミュー(クボタ松下電工外装)のコロニアルが有名製品であることから、化粧スレートのことを「コロニアル」と呼ぶこともあります。
ケイミューの化粧スレート「コロニアルグランデグラッサ」(写真提供:ケイミュー)
天然スレートは、現在では生産量が少なく高価なので、現在ではあまり使われていません。現在では、スレート瓦というと、一般的に人工の無石綿セメントで作られた化粧スレートのことを指します。以前の化粧スレートでは、石綿とセメントを原料とした石綿スレートが一般的でしたが、石綿の健康被害が明らかになったことから、現在ではメーカー各社とも石綿を使わない化粧スレートの製造を行っています(そのため無石綿セメントと呼ばれます)。
スレート瓦は、陶器製の平板瓦などと比べて軽量(50%以下の重さ)であることから、屋根の重量全体を軽くでき、耐震性を高くできるという特長があります。また塗装により、さまざまな色に着色できることから、カラーバリエーションが多く、屋根の見栄えをよくすることができます。コストも比較的安く、現在の一戸建て住宅で一般的に使用されている屋根材となっています。
ただしスレート瓦は10年ほど経つと、塗装膜が剥がれ、色あせが始まります。これにより防腐機能が低下することから、カビやコケなどが発生しやすくなります。防水機能も低下し始めることから、定期的(10年をめど)に高圧洗浄でカビやコケなどを落とし、その後、再塗装するなどのメンテナンスが必要です。
スレート瓦が一般的になってきたことから、ソーラー・パネル・メーカーはスレート瓦に対応した製品をラインアップしています。たとえば京セラは、独自開発の金具で固定できる「エコルーツ タイプU」(→ 関連記事)を、カネカはスレート瓦に穴を開けるなどの工事が不要で固定できる「SOLTILEX」をラインアップしています。
(2011/2/22 公開)
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