多くの家庭用ソーラー・パネル(→用語解説)に使われているシリコン結晶は非常に安定的な物質で、磨耗による劣化を起こすような稼動部もないため長寿命だとされます。メーカーの説明によれば、一般にソーラー・パネルの寿命(耐用年数)は20年~30年といわれています。事実、1960年代後半に灯台に設置されたソーラー・パネルが、40年以上も発電を続けているというケースもあります。家庭用とは違うので、そのまま参考にはできませんが、きちんと作られたものであれば、長く使えるのだという一例にはなるでしょう。
変換効率(→用語解説)は時間とともに少しずつ低下していきます。とはいえこちらも、25年使われたソーラー・パネルの変換効率を調べたら、新品の80%近い性能を維持しており、中古で販売されたというニュースもありました。故障さえ起こらなければ、20年以上使い続けることができ、多少変換効率が落ちたとしても、相応に発電を継続できるでしょう。
以上のような理由から、いきおい、「ソーラー・パネルは故障しないし、とりたててメンテナスなどしなくても何十年でも使える」と安直に説明される場合もあります。しかしこれは正しくありません。実際に住宅の屋根に設置されたソーラー・パネルを10年以上にわたって追跡した結果、全体の1割以上で故障が確認されたという調査結果もあります。原理的には長寿命だったとしても、さまざまな部品や製造プロセスを経て製造される工業製品ですから、絶対に故障しないという保証はどこにもありません。故障のリスクは常にあるものとして、保証内容を確認したり、定期的な点検を実施したりする必要があります。また、発電実績を定期的に記録しておき、発電異常を早期に発見する努力も必要です。
一方、太陽光発電システムの一部となるパワーコンディショナ(→用語解説)の寿命は10~15年程度といわれますので、ソーラー・パネルは使い続けられても、途中でパワーコンディショナなどの機器をメンテナンスしたり、交換したりする必要に迫られる可能性があります。
(2013/9/30 更新)
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