地域の気象条件などによって、発電量には差がでます。太陽光発電では、太陽光のエネルギーを電気に変化しますので、大きく影響を受けるのは日照量です。日照量の多い地域ほど、より多くの発電量を期待できます。
以下は、気象庁の気象統計資料より、2009年の年間日照時間を都道府県別(主に都道府県庁所在地のデータを使用)にグラフにまとめたものです。おおよそ、毎年同じような傾向にはありますが、気象データなので、計測年によって多少の違いがあります。この点に注意してご覧ください。
全体的な傾向として、日照時間が多いのは、太平洋側の都道府県で、日本海側の県はやや不利です。北海道についても同様の傾向で、太平洋側にある釧路市は日照時間が多くなっています。少々意外なのは、沖縄かもしれません。一般的なイメージからすると、沖縄は好天が多いように考えがちですが、実際にはくもりや雨の日も多いので、日照時間はそれほど多くありません。
日照時間の影響が大きいのは間違いありませんが、太陽光発電による発電量は、これ以外の条件にも影響を受けます。住宅向け太陽光発電パネルとして広く使われている結晶型太陽電池は、高温になると変換効率(→用語解説)が低下するとされます。このため日照時間が多くても、気温が高い地域では、結晶型太陽電池は発電量が低下する可能性があります。一方、薄膜シリコン型の太陽電池や、化合物系の半導体を利用したCIS型(→用語解説)やCIGS型(→用語解説)の太陽電池は、高温でも変換効率は低下しにくいとされます(→関連記事「結晶シリコン型と薄膜シリコン型は何が違うのですか?」)。高温地域にお住まいの場合には、結晶型以外の製品も検討対象に入れるとよいでしょう。
ただし、住宅に太陽光発電システムを設置する場合、発電量に最も影響するのは、搭載する発電パネルの総出力数や、屋根の方角などです。日照量の多い地域だからといって、こうした個別の設置条件が優れなければ、多くの発電量は期待できないので注意してください。
(2010/3/24 公開)
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