太陽光発電システム設置の見積もりをとってみたものの、その金額が妥当なものかどうか、素人にはなかなか判断できないものです。「見積もりの金額はそれらしく見えるが、本当はもっと安く設置できるのではないか?」 という不安を抱く気持ちはよくわかります。
ここでは手軽な方法から手間のかかる合い見積もり(→太陽生活用語集)まで、見積もり金額の妥当性を確かめる方法を2つご紹介しますが、やはり一番確実なのは、複数の業者から合い見積もりを取って比較することです。その理由を含めて、ご紹介していきましょう。
太陽光発電システムをすでに設置している人や、太陽光発電システムに詳しい人が身近な知人にいるなら、相談してみるとよいでしょう。自身の経験を踏まえて、あなたの立場に沿ったアドバイスがもらえるはずです。しかしこんな都合のよい知人がいる人は少数だと思います。
簡易な方法の1つは、インターネットのQ&Aサイトや掲示板などに質問してみることでしょう。すでに多くの人が同様の質問をしています。今回のような目的で利用できる代表的なQ&Aサイト、掲示板サイトとしては、以下の3つがあります。
これらのサイトには、太陽光発電の先輩たちや、設置工事業者の担当者などもいて、質問に対して親身に回答してくれています。なお、mixiにアクセスするには、ユーザー登録とログオンが必要です(Yahoo!知恵袋とOKWaveは、登録しなくても既存の質問と回答を閲覧できます)。
質問するときには、プライバシーにかかわるような情報を除き、できるだけ見積もりの内容を詳細に書き込みましょう。より正確な回答が期待できます。
ただし質問にあたって注意点を1つ。こうした質問サイトで回答してくれてるのは、誰かの役に立ちたいと、個人の貴重な時間を割いてくれている善意のユーザーです。ですから質問するときには、「親切な第三者に無報酬で教えてもらうんだ」という謙虚な気持ちを忘れずに行動しましょう。
前記のQ&Aサイトでの回答もかなり参考になるのですが、とはいえこの場合の回答者は、質問者が書き込んだ見積もりの情報などだけを頼りにして、基本的には「このメーカーでこの出力(kW)ならこれくらい」とアドバイスすることしかできません。設置現場を直接見ているわけではありませんから、そもそも見積もりの条件となっている前提が正しいのかどうかはわかりません。屋根や家屋の状態によっては、補強工事や塗装工事などを伴う場合もありますし、家の立地条件や間取りなどによっては、特別な配線工事が必要になったり、特殊な部品が必要になったりするかもしれません。仮に追加工事や部品の情報が見積もりにあったとしても、それが本当に必要なのかどうかは、現地を見なければわからないのです。
また「パネルのメーカーによって、もらえる補助金の額が変わると聞きました。本当ですか?」(→よくある質問の記事ページ)で説明したとおり、パネル・メーカーが変わると、同じ屋根でも設置できるパネルの枚数が変わったり、出力数が変わったり、それによって補助金額が変わったりします。パネルのサイズはメーカーによって違いますし、工事基準もメーカーによってまちまちなので、「どこのパネルなら何枚置けるか」は現地を見なければわかりません。これについても、前出のQ&Aサイトで正確なアドバイスを受けることは困難です。
以上の理由から、見積もりの内容が本当に妥当かどうか判断するには、同じ現地を別の業者にも見てもらって、合い見積もりを取って比較するのが最も確実な方法なのです。この際可能なのであれば、複数のパネルメーカーを扱える業者にお願いして、比較したい見積もりと同一メーカーのパネルを使った場合と、別のメーカーの製品を使った場合にどうなるか、という見積もりを取るとよいでしょう。こうして両者を比較すれば、違いが明確になりますし、判断材料もぐっと増えます。業者に見積もりをお願いするのは、手間も時間もかかりますが、間違いなく設置工事の失敗リスクを減らすことができます。
手間を割いて見積もりを出してくれた業者に隠れて、別の業者で合い見積もりを取ることに、何か不義理をしているような抵抗を感じる人がいるようです。しかし合い見積もりをとることは、買い手の当然の権利です。業者側もそこはわかっているはずなので、気にする必要はありません。高額な買い物ですし、長く使うものですから、後から後悔しないように慎重に検討しましょう。
(2010/6/18 公開)
2015年3月末をもちまして補助金情報の提供は終了しました。