設置するパネルの枚数にもよりますが、屋根に載せるソーラー・パネルの総重量は300kg~400kgくらいになります(→関連記事)。つまり人間でいえば、体重60kgの大人が5~6人程度、常に屋根に乗っている計算になります。
一般に「屋根はできるだけ軽く作ったほうが耐震性に優れる」といわれます。これが本当だとすれば、重いソーラー・パネルを屋根に載せると、家屋の耐震性にマイナスの影響を及ぼしてしまう可能性があります。これは本当なのでしょうか?
太陽光発電の全国的なユーザー・コミュニティである太陽光発電所ネットワーク(PV-NET)(→関連記事)が、東北大震災後に被災地に入り、ソーラー・パネルを設置した住宅の被災状況を調査しました。この結果から見ると、パネルを設置していたからといって、特にそれが理由で家屋が倒壊したなどの例は見つからなかったようです。もちろん、被災したソーラー・パネル設置住宅も少なくありませんでしたが、ほとんどは津波被害であって、周囲の非設置の住宅が無事なのに、設置住宅だけが倒壊した、というような例は確認されなかったようです。
屋根は軽量なほうが、耐震性の点で有利だということは間違いないようです。しかしPV-NETが開催した、被災地調査の報告会では、建築関係の仕事をしている参加者から、「ソーラー・パネルの設置では、フレームとなる架台を屋根に敷設するため、むしろそれが家屋の補強材として機能する可能性もある」という意見が出ていました。これはあくまでも参考意見ですが、東北大震災規模の大地震の被災地にあっても、ソーラー・パネルの設置が家屋倒壊を招いたと考えられる明らかな例が見つからなかったとすれば、ソーラー・パネルの設置が単純に家屋の耐震性を低下させて、地震による倒壊のリスクを高めるとは考えなくてもよさそうです。
(2011/12/14 公開)
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