割り箸を使って森林を守る?

以前、外食でもお箸を持参するマイ箸ブームというのが起こったことがあります。以来、割り箸は環境にやさしくなく、マイ箸がエコというイメージが浸透しました。きっと現在もエコ意識の強い人の中には、マイ箸を持参している人がいるかもしれません。

ところが、マイ箸より森林のためになるかもしれない割り箸があるんです。それが国産の割り箸。日本製の割り箸のなかには、健全な森林の育成のために必要な「間引き」や「枝打ち」をしたときに出る間伐材で作られているものがあります。植物はCO2を吸収して酸素を排出するので、森林を伐採しない方が温暖化には良いと考える人がいるようですが、CO2を吸収できるのは若い木々。老木になると酸素を吸収しCO2を排出するようになるそうです。つまり森を健全に育てるには、人の手を入れて、間引きや枝打ちをする必要があるわけです。

CO2を吸収した木から作った割り箸は、やがてゴミとなり自治体の焼却炉で燃やされます。燃やすときに、成長した過程で吸収した同じ量のCO2が排出されます。だからといって、それじゃあ意味がない……と思わないでください。割り箸を作る過程では、豊かな森林を作るための「間引き」や「枝打ち」がなされているし、何より「人が使う」という工程が途中に入ります。ただ捨てられるはずの間伐材が利用されたのちに捨てられているのです。つまりこうした日本製の割り箸は、資源を有効活用するエコ商品。しかも健全な森の育成にもつながるという効果もあります!

最近では、デニーズやナチュラルローソンなどのコンビニエンスストアや外食チェーン店で国産の割り箸を使用する取り組みが始まっています。割り箸に対するこの「木づかい」を多くの人が気づいてくれるといいなと思います。

(2012/5/11 公開)

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