待望の「太陽光発電の新たな買取制度」が、2009年11月1日(日)よりスタートしました! この新しい買取制度により、従来は24円/kWh程度だった太陽光発電の余剰電力の売電価格が、およそ倍額の48円/kWhになります。
従来よりも高く売電できるので、太陽光発電システムの利用者は、システム導入時の費用をより短い期間で回収できるようになります。経済産業省の試算では、新築に設置する場合で10年程度、既築の住宅に設置する場合で15年程度で元がとれるとしています(→関連記事)。今回の買取制度は、これから新規に太陽光発電システムを設置する人だけでなく、すでに設置している人も対象になります。
「新たな買取制度」のポイントをまとめると次のようになります。
買取対象になるのは、太陽光発電した全電力ではなく、発電した電力から、家で消費した電力を差し引いた残りの余剰電力(→用語解説)です。
余剰電力を増やすには、できるだけ出力の大きい太陽光発電モジュール(パネル)を屋根に載せ、できるだけ節電して自家消費する電力を減らすことです。あくまでも楽しみながら、地球環境に優しく、しかも光熱費もグッと安くなる、そんな生活の工夫ができるといいですね。
「新たな買取制度」による余剰電力の買取は、これから10年間続きます。今からスタートした人は、48円/kWhで10年間ずっと買い取ってもらえるわけです(買取価格は年度ごとに見直され、将来スタートする人は、48円/kWhよりも安くなる可能性があります)。
太陽光発電システムの設置費用は200万~300万円程度と決して安くはありませんが、向こう10年間、高額な買取が保証されるというのは安心材料になりますね。
買い取りに必要な費用は、いったい誰が負担するのでしょうか? 国の公的資金でしょうか? いいえ、違います。
買い取りに必要な費用は、電力を使用するすべての利用者が薄く広く、電気料金に上乗せされて負担します。電気を使わない人はいませんから、国民全員が少しずつ負担して、太陽光発電を奨励するわけです。二酸化炭素を出して作られた電気を使うすべての人が、二酸化炭素を出さない電気を作って、「低炭素社会」に貢献している人にご褒美をあげる、というようなものですね。
図に示したとおり、経済産業省の試算では、標準的な一般家庭負担増は、1カ月あたり数十円~100円未満とされています。買取費用として国民が負担するお金は「太陽光サーチャージ(→用語解説)」と呼ばれます。
導入時の補助金も当面は続きそうです。また民主党は、余剰電力だけでなく、太陽光発電の全量を高額で買い取る施策について検討しています。こうした将来施策がどうなるかはまだ分かりませんが、太陽光発電が、「生活に余裕のある人が設置する」ものから、「長期的に経済的なメリットを受けたい人」が設置するものへと変わっていくことは間違いありません。設置が可能な方は、ぜひともこの機会に太陽光発電システムの導入について検討してみてください。
(2009/11/2 公開)
2015年3月末をもちまして補助金情報の提供は終了しました。