2011年5月27日(金) 16時53分 公開
埼玉県春日部市で開催されたJ-PECの平成23年度補助金説明会で、埼玉県の太陽光発電システムの設置状況が説明された。
その中で、新築住宅向けに太陽光発電システムを設置する場合は、既築住宅に比べて1kWあたりの設置費用が大幅に安く済むことが報告された。住宅の建築とともに太陽光発電システムの設置が行われることから、施工費用などが安価で済むためと思われる。埼玉県の調査によると、既築住宅の場合、1キロワットあたり62万5608円(平均値)かかるのに対し、新築住宅では50万500円(平均値)と2割ど安く設置できているという。
このように新築と同時に設置した方が安価で済むためか、新築住宅に太陽光発電システムを設置するケースが増えており、その搭載比率も大きく上昇しているということだ。多くのハウスメーカーが太陽光発電システムを搭載した住宅を販売しており、光熱費が安くなることをメリットとしてうたっていることも背景にありそうだ。
埼玉県では、補助金を活用した人にアンケートを実施しており、その結果、新築住宅に設置した81%もの人が、埼玉県の補助金がなくても設置はしたと回答している(既築住宅の場合は46%)。こうしたことから埼玉県では、2011年度の補助金から新築住宅向けへの支給をやめ、既築住宅のみに支給しているという。
新築住宅への太陽光発電システムの普及は、埼玉県に限らず、全国的に見られる傾向である。特に東日本大震災以降、太陽光発電システムに対する注目は高まっており、新築時に設置を検討する人が増えているようだ。またハウスメーカーも太陽光発電システムを標準装備する傾向が見られ、たとえば、関西の中堅分譲住宅メーカーの敷島住宅は、ハウスケア(太陽光発電専門商社のウエストホールディングスの子会社)と共同で滋賀県大津市に太陽光発電システムを標準装備した分譲住宅160戸を供給するなどしている。
菅総理大臣は、経済協力開発機構(OECD)の講演にて、「2030年までに1000万戸の住宅の屋根にソーラー・パネルを設置することを目指す」と述べた。この高い目標を達成するには、既築住宅向けの普及がカギになりそうだ。
2015年3月末をもちまして補助金情報の提供は終了しました。