太陽光発電システムの設置費用は、屋根にのせるソーラー・パネルの出力(パネルの枚数)や、その他の機器の金額(パワーコンディショナ(→用語解説)など)、設置工事にかかる費用などによって決まります。屋根にどれくらいのパネルをのせられるかは、家の立地条件や屋根の形状によって変わりますし、条件によっては追加の補強工事などが必要なる場合もあります。つまり、太陽光発電システムの設置にかかる費用は、ケース・バイ・ケースで変わってくるもので、単純に1件あたりいくら、という具合にはいえません。最終的に、ご自身の家に設置していくらかかるかは、専門の設置工事業者に見積もりをとる必要があります。
ここでは、あくまでも目安として、住宅用太陽光発電システムの設置で国が提供している補助金の条件を元に、おおよその金額を算出してみます。
国は、住宅向け太陽光発電システムの設置を後押しするため、補助金を提供していることはご存じでしょう。できるだけ価格を下げて普及を促すために、補助金提供の条件として、ソーラー・パネルの出力1kWあたりのシステム価格に上限を設けています。つまり設置工事業者は、この上限金額以内で(上限金額以下で)システムを販売しないと、国の補助金がもらえなくなってしまうということです。
この上限金額は、太陽光発電システムの市況価格をみながら、毎年国が決定しています。太陽光発電システムの普及に伴って、ここ数年、太陽光発電システムの価格は低下傾向にあります。このため国は、2009年度は1kWあたり70万円、2010年度は1kWあたり65万円と少しずつ上限金額を下げてきました。そして2011年度は、1kWあたりのシステム価格の上限は60万円とされています。
2011年度の国の補助金をもらうためのシステム価格の上限
現実問題として、住宅向けの設置で国の補助金がもらえない工事というのはありえませんから、設置工事業者は、何とかこの上限価格以下で販売することになります。したがって「1kWあたり60万円」というのは、上限の価格目安と考えてよいでしょう。もちろん、これよりも安くする分には制限はありませんので、より安価なパネルを選択するなどすれば、さらに安い場合もあります。ただし上限価格の中には、「発電モニタ(→用語解説)」のような追加機器の金額や、特別な工事(補強工事など)にかかる費用は含まれないので、すべての機器や工事を含めて「1kWあたり60万円以内になる」ということではありません。ご注意ください。
昨年度(2010年度)の国の補助金の申請内容を見ると、1件あたりの搭載パネル出力は約4kWだそうです。仮に、1kWあたり60万円で、4kWのソーラー・パネルを屋根にのせたとして、国の補助金(1kWあたり4万8000円)を引き算すると、費用は以下のように220万8000円になります。
1kWあたり60万円で4kWのソーラー・パネルを設置した例
ここでは国からの補助金だけを引き算しましたが、お住まいの地域によって、都道府県や市区町村が補助金を提供していれば、その分実質的な設置費用は低下します。
繰り返しになりますが、これは、太陽光発電システムの上限価格を使って試算した目安です。ただおおよその考え方として、現時点で一般的な住宅に太陽光発電システムを設置する費用は、だいたい200万円前後と考えてよいでしょう。
(2011/05/11 更新)
2015年3月末をもちまして補助金情報の提供は終了しました。