2012年4月26日(木) 18時39分 公開
再生可能エネルギーによる電力の買取価格を検討している経済産業省の「調達価格等算定委員会」は、2012年度の住宅用太陽光発電による余剰電力の買取価格を2011年度と同じ、1キロワット時あたり42円、買取期間10年とする方針であることを明らかにした。また太陽光発電所など10kW以上の非住宅用太陽光発電は1キロワット時あたり42円、風力発電は同23.1円で買取期間はいずれも20年、地熱発電は同27.3円、買取期間15年とした。
2012年7月1日から施行される「再生可能エネルギーの買取に関する特別措置法案(再生エネルギー特措法)」のもと、この買取価格と期間が適用される。住宅用太陽光発電については、余った電気だけを買い取る余剰買取方式だが、そのほかの再生可能エネルギーによる電気は、すべて買い取る全量買取方式となる。再生エネルギー特措法のもとで、買取にかかった費用は、太陽光発電促進付加金(太陽光サーチャージ)と同様、付加金として、電力料金に上乗せする形で、電気需要家(電気の利用者=全国民)が負担することになる。今回の措置による付加金の電気料金への上乗せは、2013年度より開始される予定。
2011年度の衆議院本会議における「再生エネルギー特措法」の審議に際して、海江田万里経済産業相(当時)は、「住宅用太陽光発電に対する電力の2012年度の買取価格(売電価格)は30円台後半になると想定している」と答弁していたが、結果的には2011年度と同じ42円に落ち着くことになりそうだ。非住宅用太陽光発電が42円、20年となったことから、買取期間が10年と短い住宅用太陽光発電の買取価格を42円から下げにくかったという事情があったようだ。
一方で、住宅用太陽光発電については、国の補助金制度があり、購入時に支援が受けられることから、買取期間が10年と短くても、42円で十分に設置費用の回収が行えること。また、個人住宅の外壁や屋根の塗り替えが10から15年程度で実施され、住宅自体が譲渡される可能性もあることなども考慮したという。
なお2012年4月25日の第6回調達価格等算定委員会の段階では、エネファームや蓄電池などの自家発電設備が併設された太陽光発電(いわゆるダブル発電)の扱いについては結論が出ていない。現行の余剰買取制度の場合、エネファームやエコウィルについては、自家発電設備から供給される電気を自家消費分にあてることができ、併用すると太陽光発電の売電量を押し上げられるため、20%程度引き下げた買取価格(太陽光のみが42円の場合、ダブル発電は34円)が適用されている。再生エネルギー特措法におけるダブル発電の扱いについても同様にすべきという意見がある一方で、蓄電池については太陽光発電単独と同じ価格を適用することが妥当という意見もあり、最終的な結論が持ち越されている。
第7回調達価格等算定委員会で最終的な議論を行い、結果を取りまとめ、経済産業大臣に買取価格と期間が報告される。その後、パブリックコメントなどを経て、経済産業大臣が最終決定することになる。
2015年3月末をもちまして補助金情報の提供は終了しました。