2015年3月20日(金) 16時44分 公開
経済産業省は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度に基づく、2015年度(平成27年度)の再生可能エネルギーの買取価格と賦課金単価を決定した。
再生可能エネルギーの固定価格買取制度は、太陽光発電や風力発電などの自然エネルギーから作った電力を一定期間、有利な固定価格で全量買い取るしくみ。買取価格の原資は、家庭や企業などの電気利用者が電気料金の一部として負担することになっており、これを「再生可能エネルギー賦課金」と呼ぶ。
2015年度(2015年4月から2016年3月末まで)の再生可能エネルギーの固定買取価格は、調達価格等算定委員会が取りまとめた意見書どおりとなった。住宅用の太陽光発電システム(10kW未満)については、2014年度の1kWh当たり37円から2015年度33円または35円に、10kW以上の太陽光発電システムは、2014年度の32円(税抜き)から2015年度は4月1日から6月30日まで29円(税抜き)、事業者に配慮した利益上乗せ期間が終了する7月1日以降は27円(税抜き)に引き下げられる。
2015年度より、太陽光発電設備および風力発電設備には、遠隔操作で発電出力を抑える装置(出力制御対応機器)の設置が義務付けられる。住宅向けの太陽光発電システムの場合、新たに通信モデム付きの制御ユニットを新設し、これとパワーコンディショナを接続することで、売電量の制御を行うというもの。
4月1日以降、北海道電力、東北電力、北陸電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力に接続しようとする太陽光発電設備および20kW以上の風力発電設備が設置義務付けの対象となっている。20kW未満の風力発電設備と接続可能量に余裕のある東京電力、中部電力、関西電力に接続する50kW未満の太陽光発電設備は当分の間対象外となっており、出力制御対応機器を設置する必要はない。住宅向けの太陽光発電システムは、出力制御対応機器あり・なしによって、異なる買取価格が設定されており、出力制御対応機器なしの場合は33円/kW、出力制御対応機器ありの場合は35円/kWとなる。ただし、出力制御対応機器の設置義務が課せられない地域(東京電力、中部電力、関西電力)の場合、出力制御対応機器を設置した場合でも売電単価は33円/kWとなる。
2015年度の再生可能エネルギー賦課金単価は、1.58円/kWhに決定した(2014年度は75銭/kWh)。この賦課金は、2015年(平成27年)5月検針分から2016年(平成28年)4月検針分の電気料金までに対して適用される。標準的な家庭(300kWh/月の電力消費)の場合、月額474円を負担することになる。賦課金単価は、2013年度の35銭/kWhから2014年度の75銭/kWh、2015年度の1.58円/kWhと年々2倍以上の上昇となっている。2015年度においては、売電価格を大幅に引き下げるなどしているものの、大規模な太陽光発電所の建設が続いており、今後とも賦課金単価は上昇するものとみられる。
2015年3月末をもちまして補助金情報の提供は終了しました。