太陽生活ニュース

2015年2月24日(火) 13時42分 公開

2015年度の住宅用太陽光発電の買取価格33円/kWhに

経済産業省のもとで再生可能エネルギーの買い取り条件を決める「調達価格等算定委員会」は、2015年度(平成27年度)の再生可能エネルギーによる電力の買取価格(売電価格)案を策定した。

再生可能エネルギーが太陽光発電システムに偏っている現状を是正するため、太陽光発電に対する買取価格を引き下げている。住宅用の太陽光発電システム(10kW未満)については、2014年度の1kW時当たり37円から2015年度33円または35円に、10kW以上の太陽光発電システムは、2014年度の32円(税抜き)から2015年度は4月1日から6月30日まで29円(税抜き)、事業者に配慮した利益上乗せ期間が終了する7月1日以降は27円(税抜き)に引き下げられる。そのほかの買取価格は下表のとおり。

2015年度の調達価格等算定委員会による電力の買取価格案

2015年度の調達価格等算定委員会による電力の買取価格案
太陽光発電が買取価格の引き下げられている。また新たに未利用材木を使った木質バイオマス発電については、発電能力の違い(2000kW未満と2000kW以上)で異なる買取単価が設定されている。そのほかについては、2014年度からの買取価格の変更はない。


なお2015年度より、太陽光発電設備および風力発電設備には、遠隔操作で発電出力を抑える装置(出力制御対応機器)の設置が義務付けられる。これは、電力会社が電気の需要量と供給量を一致させるため、火力発電の出力制御などを行ったとしても、電気の供給量が需要量を超過することが見込まれる際に、需要量まで太陽光発電や風力発電の出力を制御するために使用されるものである。住宅向けの太陽光発電システムの場合、新たに通信モデム付きの制御ユニットを新設し、これとパワーコンディショナを接続することで、電力会社の指示により売電を一時的に停止できるようにする。

4月1日以降、北海道電力、東北電力、北陸電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力に接続しようとする太陽光発電設備および20kW以上の風力発電設備が設置の義務付けの対象となっている。20kW未満の風力発電設備と接続可能量に余裕のある東京電力、中部電力、関西電力に接続する50kW未満の太陽光発電設備は当分の間対象外となっており、出力制御対応機器を設置する必要はないとしている。なお住宅向けの太陽光発電システムは、出力制御対応機器あり・なしによって、異なる買取価格が設定されており、出力制御対応機器なしの場合は33円/kW、出力制御対応機器ありの場合は35円/kWとなる。

なお住宅向けの出力制御機は、現在メーカーが開発中であり、2015年の春以降、順次市場に投入される見込みとされている。2015年4月1日の段階では、出力制御対応機が間に合わない可能性もあることから、当初は市場に存在する機器を設置しておいて、出力制御機能付きの機器が投入された際に、追加的に、パワーコンディショナのソフトウェアの更新や通信モデム付新制御ユニットの設置・交換などの措置を行うことが必要となる。なお出力制御機は、1万円/kWの追加費用が必要になると試算されている。

《太陽生活ドットコム 小林》

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