太陽光発電、7年続けてみてどうですか?
(前ページからの続き)
本当にメンテナンス・フリー?
- 定期的なメンテナンスはいらないといわれていますが、本当ですか?
- 前田さん(ご主人)
- 設置する前は、汚れとか、落ち葉などがモジュールの上に乗ったままになってしまうんじゃないかと心配していました。そこで例の営業マンに聞くと、「基本は汚れないし、掃除も必要ない」といいます。信用できなかったので、「年に1回は訪問して掃除すること」という念書をとったんですよ(笑)。その後、2年くらいはその営業マンが来て掃除していましたが、その後彼は会社を辞めてしまったらしく、来なくなってしまいました。それ以後は自分で掃除などはしていません。それでも、発電量は落ちていないと思います。
前田さん宅のモジュール
よく見ると、モジュールの一部分に汚れがついている。しかしこの程度なら、発電量にはあまり影響しないようだ。
- 宮崎さん
- ぬれ落ち葉などがしつこく張り付いてしまうこともあるかなぁ、とも思ったんですが、自然とどこかにいってしまって、自分でどけたことはありません。砂ぼこりなどが乗っても、雨が降れば自然ときれいになってしまいます。私も7年間、ノーメンテナンスです。
- 雪の影響はどうですか?
- 宮崎さん
- 雪が積もってしまうと、まったく発電できなくなります。最初のうちは、もったいないと思って、下側の凍った部分を少しかいて、雪を落とすようにしていましたが、最近は面倒であまりやらなくなってしまいました。
- 前田さん(ご主人)
- 私は自分でモジュールの上の雪をどけたことはないです。ほかの雪かきのほうが大変なので(笑)。 モジュールの表面はガラスで、滑りやすくなっているからか、雪が積もっていても、日が差すとすぐに下に滑り落ちてしまいますから。
- ひょうが降ったことはありますか?
- 宮崎さん
- 小さいものは何度かあったと思いますが、特にそれでモジュールにキズがつくとか、壊れるといったことはありません。モジュールの表面は強化ガラスで覆われているので、滅多なことでは壊れないと営業マンはいっていました。
7年経っても発電量は変わらず
- 太陽光発電モジュールは、年数が経っても発電効率はあまり落ちないといわれるんですが、本当でしょうか?
- 宮崎さん
- 先ほど2008年の総発電量をご紹介しましたので、1年分のデータがある中で最も古い2003年の総発電量と比較してみましょう。次のグラフのようになりました。
太陽光発電の月別総発電量(2003年と2008年の比較)
- 宮崎さん
- 7月の発電量に大きな差が出ていますが、これは2008年の7月にたまたま晴れの日が多かったからです。メモを見たら、2008年7月の晴れの日数は18日であるのに、2003年7月の晴れの日数はたった9日でした。それ以外の月については、ほぼ同じ傾向で、むしろ2008年の発電量のほうがやや多いくらいに見えます。この間は5年ですが、発電量は変わらないといってよいと思います。もう1つ、2003年から2008年までの、年ごとの総発電量もグラフにしてみました。
2003年~2008年の年別総発電量
- 宮崎さん
- 多少の違いはありますが、年間総発電量はおおよそ2500kWhといったところで変化はありませんね。
生活スタイルに合った電気料金メニューを
- 余剰電力の売電はどれくらいありますか?
- 宮崎さん
- 季節にもよりますが、だいたい毎月5000円前後だと思います。
- 前田さん(奥さま)
- うちもそれくらいですね。
買電メーター(左)と売電メーター(右)
余剰電力を売電しているときは、右側の売電メーターだけが回る。
- 前田さんと宮崎さんで、契約されている電気料金メニューが違いますね。
- 宮崎さん
- うちは昼間の時間帯(8:00~22:00)と、夜間時間帯(22:00~翌8:00)の2種類の時間帯で電気料金が変わる、東京電力の「おトクなナイト10」という料金メニューを使っています。夜間が安い分、昼間の電気料金は高くなるんですが、昼間は太陽光発電があれば、あまり買電しないですみます。夜間料金はすごく安いので、なるべく夜の10時以後に電気を使うように工夫しています。自然と、生活スタイルが変わっていきますね。
電気料金メニューの違い
おトクなナイト10(上)と電化上手(下)。いずれも東京電力の料金メニュー。
- 前田さん(奥さま)
- うちは1日の時間帯が3種類にわかれる「電化上手*1」を使っています。うちも最初は「おトクなナイト10」を使っていたんですが、子供がいるので、夕食の支度をする夕方にけっこう電気を使うことがわかってきて、こちらに変更しました。やっぱり、時間帯を意識して電気を使うようになりますね。
*1 東京電力の「電化上手」は、エコキュートや電気温水器などの夜間蓄熱式機器を設置した住宅が利用できる電気料金メニュー。
- 最後に、太陽生活の大先輩として、これから太陽光発電システムを設置される読者の方にひと言お願いします。
- 宮崎さん
- 年数が経って、これから故障しないのかということは少し気になりますが、これまではまったく問題なしで太陽光発電を楽しんできました。さらにこれからは、余剰電力の倍額買取や、検討中の総量買取など、太陽光発電の経済的なメリットが増える方向にあります。チャンスがある方は、ぜひとも設置を検討してみてください。
- 前田さん(奥さま)
- お天気がいいと、洗濯物がよく乾いてうれしいですよね。太陽光発電を始めると、「いま、自然のエネルギーから電気を作っているんだなぁ」といううれしさが加わります。そして家計簿を付ける立場の主婦として、毎月の売電のお知らせを見ると、「今月はこんなに売れたんだ」としみじみ思います。余剰電力の倍額買取でいくらになるのか、また楽しみが増えました。
前田さんご夫妻
- 前田さん(ご主人)
- 買電メーターが止まっていて、売電メーターがクルクル回るのを見ると、いま自分は電気を売ってるんだぞっと思えて、何だかいいことをしている気がします。(笑) 普段の生活で、人様に物を売れるなんてことはなかなかないじゃないですか。うちの売電額は1年で5~6万円程度だと思いますが、それでもうれしいものです。みなさんもぜひ!