太陽光発電システムを設置する場合、余剰電力(→用語解説)の売却のために、売電のための電力量計を同時に設置します。この電力量計は、余剰電力量(電力会社に売却した電力の量)を計測しており、このメーターを検針することで、売電額が決定されます(このため、「売電メーター」などと呼ばれることもあります)。
しかし売電のための電力量計は、太陽光発電によって得られた全電力を計測するものではなく、太陽光発電による電力量から、家庭で使用した電力量を差し引いた余剰電力量を計数したものです。従ってこれだけでは、純粋に太陽光発電でどれだけの電力量を発電したのかは分かりません。
単純に余剰電力を売電するだけならこれでもかまいませんが、太陽光発電した全電力量を正確に計測できないと、太陽光発電量に応じて環境価値を売却できる「グリーンエネルギー証書」(→用語解説)を正しく発行できません。
太陽光発電した全電力量を正確に計測するために追加するのが総発電電力計です。これにより、グリーンエネルギー証書の発行が可能になります。
例えば東京都では、太陽光発電システムの設置に対して、1kWあたり10万円(上限100万円)の補助金を給付しますが(申請期間は2009年4月1日~2011年3月31日)、この前提として補助金の受給者は、向こう10年分の環境価値を無償で公社に譲渡する必要があります。環境価値を譲り受けた公社は、これをグリーンエネルギー証書として発行し、販売して、将来の支援策に活用します。
このため、東京都の補助金を受給する際には、総発電電力計の設置が不可欠です。
なお、買電のための電力量計、売電のための電力量計は電力会社の所有物ですが、総発電電力計は設置者の所有物になります。
(2010/3/2 更新)
2015年3月末をもちまして補助金情報の提供は終了しました。