2011年4月13日(水) 14時2分 公開
太陽光発電普及拡大センター(J-PEC)は、太陽光発電システムの設置に対する国の補助金「平成23年度住宅用太陽光発電補助金」の申込受付を4月12日から開始すると発表した。補助金額は、4万8000円/kWと前年度の7万円/kWから大きく減額されている。募集期間は、4月12日~12月22日まで。
ただし補助対象は、公称出力10kW未満のシステムで、設置費用は1kWあたり60万円以下のもの。10kW以上のものや、1kWあたりの設置費用が60万円を超えると補助対象でなくなるので注意が必要だ。
今年度の予算は総額349億円と、前年度の401.5億円から約50億円減っている。J-PECでは、キロワットあたりの補助金額が少なくなっていることから、予想される補助件数は約17万件と、2010年度の本予算の約15万件よりも増えると見込んでいる。2010年度の補助金の申込受付件数は12月末までで約14万件。したがって前年度と同程度の設置数であれば、全員が補助を受けられる可能性が高い。しかしパネル・メーカーや施工業者によると、東日本大震災以降、太陽光発電システムに対する引き合いが増えているとしており、設置件数が大幅に増える可能性もある。
また2010年度は、補正予算により2011年3月末まで補助金が支給されたが、2011年度は、東日本大震災の復興予算確保のために、このような補正予算を利用した追加募集が行われない可能性もある。ただし一方では、次世代のエネルギー源として、太陽光発電システムの普及を加速させるとの声もあり、今後の予算の動向は不透明だ。
2011年度の本予算については、受付締め切り前であっても予算がなくなった時点で募集が締め切られる可能性があるとされていることから、太陽光発電システムの導入を検討している場合は、余裕を持って設置を検討したほうがよいだろう。
なお今回の2011年度の制度に対して個人で申請する場合、CO2の排出削減事業に参加することが要件に加わっている。申請書類に家庭のCO2排出削減量を取りまとめる国の仕組み「グリーン・リンケージ倶楽部(太陽光発電)」への参加を表明するか、グリーン電力証書システムに基づくグリーン電力発電事業などに参加することとなっている。グリーン・リンケージ倶楽部(太陽光発電)に参加すると、事務局がランダムにモニタを抽出、モニタに選ばれた際には売電量がわかる電気料金請求書などを提出したり、パワーコンディショナの発電電力量の表示を年に1回、日付入りで写真に撮影して送付したりする必要がある。この事業で認証された国内クレジット(CO2排出削減量)は、これを必要とする企業などに売却し、その売却益は国庫に納付されるということだ。
また2011年度の規約を見ると、補助金の支給対象者の条件に「太陽光発電システムを設置して住宅を第三者に賃貸を行う場合は、その賃借人が電灯契約を結ぶこと」という条件が加わっている点にも注意が必要だ。2010年度は、賃貸アパートなどの賃貸物件に太陽光発電システムを設置する場合、敷地内にオーナーが住んでいなくても、国の補助金を受給できた。しかし上記の条件をそのまま解釈すれば、このようなケースは対象外になりそうだ。この記事の執筆時点では、詳細な交付規定がまだ公開されていないため、詳しいところは不明だが、賃貸アパート・オーナーで太陽光発電システムの設置を検討している場合は、条件についてしっかりと確認する必要がある。
2015年3月末をもちまして補助金情報の提供は終了しました。