2011年8月3日(水) 17時34分 公開
東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故以降、電気使用量の削減やピークシフトへの対応が求められていることから、多くのメーカーから家庭向けのバッテリが発売されている。また、大容量のバッテリを搭載する電気自動車(EV)を、住宅用にも活用したいという要望も高まっており、各社ともその開発も進めている。
これに対し日産自動車は、EVの日産リーフに搭載している駆動用リチウムイオンバッテリから、住宅に電力を供給できるシステムを開発、積水ハウスの実証実験住宅「観環居」で公開した。日産では早期にシステムの開発や電力会社の系統との連携方法などを検討し、2011年度内の販売開始を目指すとしている。
住宅用バッテリを普及させるうえで最大のハードルとなっているのは価格。平均的な住宅の1日分の電力をまかなうには、10kWh程度の容量が必要といわれるが、リチウムイオン・バッテリの価格は、現時点では1kWhあたり50~100万円程度と非常に高価だ。この点、リーフのバッテリ容量は24kWhと非常に大きく、約2日分の容量がある。これを家庭用にも使えれば、安価な夜間電力の活用や、ピークカットやピークシフトなど、柔軟な電力利用が可能になる。
住宅の分電盤には、リーフのバッテリ電圧を家庭向けの100V/200Vに変換する電力制御装置(PCS)を接続、ここにリーフを接続することで住宅への電力供給を可能にする。リーフとPCSの接続には、CHAdeMO協議会のコネクタを利用し、CHAdeMOプロトコルを拡張することで双方向のやり取りを可能にしている。これにより、汎用性や安全性、高い信頼性が実現できるという。また本システムでは、リーフから電力を供給するだけではなく、ケーブルなどをつなぎかえることなく、リーフへの充電も行える。
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