2011年8月4日(木) 13時45分 公開
太陽光発電のユーザーグループであるNPO法人 太陽光発電所ネットワーク(PV-Net)が、計画停電時の太陽光発電の活用についてアンケートを実施した。これによれば、停電でも太陽光発電による自家発電で電気が使えるにもかかわらず、7割近いユーザーがこれを活用していないことが明らかになった。このうち「使い方を知らなかった」というユーザーが3割を占めており、機能の有効活用に向けて、ユーザーに対する使用方法の周知徹底が必要だ。
調査に回答したのは、埼玉県に住むPV-Net埼玉地域交流会のメンバー110名。埼玉県は東日本大震災の影響で3月から4月にわたって計画停電が実施された地域で、アンケート調査は4月から5月にかけて実施された。
「計画停電があったか?」という質問には、72%が「あった」と回答(Q1)。しかし一部地域は計画停電の実施が回避されたことなどから、26%のユーザーは「なかった」と回答した。
計画停電があったと回答したユーザーのうち、自立運転と呼ばれる機能を活用して、自家発電した電気を利用したのは29%で、66%のユーザーは活用しなかったと回答した(Q2)。
活用しなかった理由で最も多かったのは「面倒」の34%(Q3)。これは自立運転の機能は知っていたが、機器を自立運転モードに切り替えたり、自立運転専用のコンセントに家電製品を差し替えるなど、操作が面倒で活用しなかったユーザーだ。
一方、機能の存在を知らなかったり(「機能知らず」)、機能は知っていたが使い方がわからなかった(「使い方不明」)は合わせて30%もあった。太陽光発電システム・メーカーや、設置工事業者は、いざというときに自家発電を正しく使えるように、ユーザーへの説明をしっかりしておく必要がある。ユーザー側も、万一のときに備えて自立運転利用の予行演習などしておくと安心だ。
自立運転を活用したユーザーに自家発電した電気の用途を聞くと、最も多かったのは冷蔵庫(23%)だった(Q4)。停電のあった3~4月といえばまだそれほど暑くない季節だが、冷蔵庫内の食品を心配したユーザーが一番多かったようだ。
その次はテレビ(18%)、携帯電話の充電(11%)、ラジオ(5%)と情報機器の利用が続いた。この時期は福島原発の状況も不安定だったこと、余震が頻発していたことなどから、最新情報を継続取得するために電気を使ったユーザーが多かったようだ。
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