太陽生活ニュース

2011年8月9日(火) 14時38分 公開

積水ハウス、太陽電池・燃料電池・蓄電池搭載の環境配慮型住宅「グリーンファースト ハイブリッド」を発売

積水ハウスは、太陽電池・燃料電池・蓄電池の3つの電池を組み合わせて、大幅な節電を可能にする環境配慮型住宅「グリーンファースト ハイブリッド」を発売した。同社の鉄骨及び木造戸建住宅のみの対応で、発売当初の3カ月で150棟の販売を目指している。

積水ハウスの「グリーンファースト ハイブリッド」の外観例

積水ハウスの「グリーンファースト ハイブリッド」の外観例
太陽電池・燃料電池・蓄電池を搭載することで、大幅な節電を可能にする。(図提供:積水ハウス)


グリーンファースト ハイブリッドは、最大公称出力5kW以上の太陽電池、発電能力700Wまたは750Wの燃料電池、容量8.96kWhの蓄電池を組み合わせることで、電力会社から送電される電力をできる限り使わずに、安定的な電力供給を可能にする。3つの電池の制御はすべて自動切り替えで、停電などで電力供給が止まっても、住宅設計時に設定したコンセントや照明などがそのまま利用できる。蓄電池の容量が8.96kWhと大きいことから、停電時でも蓄電池だけで冷蔵庫やテレビ、照明を約17時間継続使用が可能だという。

電力使用の優先順位は、燃料電池、太陽電池、蓄電池、電力会社からの系統電力の順番。太陽電池の余剰電力は売電が可能となっている(売電価格は、燃料電池が併設されるため、2011年度で1kWあたり34円)。

「グリーンファースト ハイブリッド」の電力供給システム

「グリーンファースト ハイブリッド」の電力供給システム
燃料電池、太陽電池、蓄電池、電力会社からの系統電力の順に電力を使用することで、電力購入量を削減する。また日中は、できる限り燃料電池の発電で賄うことで、太陽電池の売電量を増やす。(図提供:積水ハウス)


日中の電力消費は、できる限り燃料電池の発電で賄い、太陽電池の売電量を増やす。電力消費の多い夕方から夜にかけては蓄電池から電力を供給し、購入電力を減らす、といった制御を行う。なお蓄電池には電力価格が安価な深夜に充電することで、光熱費を削減するという。

「グリーンファースト ハイブリッド」の運転制御の概念図

「グリーンファースト ハイブリッド」の運転制御の概念図
安価な夜間電力を蓄電し、それを電力使用のピーク時間帯で利用することで、光熱費を削減する。日中は、燃料電池による発電を利用することで、太陽電池による売電量を増やす、といった制御を行う。(図提供:積水ハウス)


また停電時には、太陽電池の余剰分は蓄電し、さらに燃料電池を組み合わせることで、天候に左右されずに電力とお湯の供給を行うとしている。

積水ハウスの試算によれば、一般的住宅の年間光熱費は25万2900円なのに対し、「グリーンファースト ハイブリッド」では26万4300円の削減効果があることから、トータルで1万1400円の黒字になるとしている。

価格は、太陽電池が1kWあたり44.8万円、燃料電池が240万円、蓄電池が200万円となっており、太陽電池5kWのシステムの場合で664万円となる。国や地方自治体の補助金を活用することで、実質的な購入価格は500万円程度となる模様。高額な費用がネックではあるが、震災以後、万一の場合にも自立して生活でき、電力会社に依存しない住宅に魅力を感じるユーザーが増えている。こうしたユーザーのニーズに応える商品といえるだろう。

《太陽生活ドットコム 小林》

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