2013年1月22日(火) 14時36分 公開
経済産業省の「調達価格等算定委員会」は、2013年度の再生可能エネルギーによる電力の買取価格(売電価格)の議論を開始した。
調達価格等算定委員会とは、「再生可能エネルギーの買取に関する特別措置法案(再生エネルギー特措法)」に基づき、経済産業大臣が毎年度、当該年度の開始前に買取価格および買取期間を定めるための意見を提出する有識者会議。発電にかかる設備のシステム単価のほか、運転維持費(修繕費や人件費など)、適正利潤などを踏まえて、電力の買取価格および買取期間を経済産業大臣に提示する。
今回開催された調達価格等算定委員会では、2012年7月1日に施行された再生エネルギー特措法以降に発電事業者から提出されたコスト・データを基に、2013年度の調達区分(発電の種類)ごとの設置コストなどが確認された。
太陽光発電については、システム価格が住宅用/非住宅用(10kW以上)ともに2012年度に対して10%程度下がっていることから、2013年度の買取価格に反映させる方向で検討すべきとした。2012年度の42円/kWhから、10%引き下げられた38円/kWh前後で委員会の意見が集約されそうだ。
住宅用太陽光発電システムの価格動向
2012年度の住宅用太陽光発電の買取価格は、2012年1月から3月期の46万6000円(新築に設置した場合の平均システム価格)を基に42円/kWhとした。これに対し、直近の2012年10月から12月期では、42万7000円とシステム価格が約10%下がっていることから、電力の買取価格への反映が必要であるとしている。(図提供:経済産業省)
ただ住宅用太陽光発電については、2013年度の国や地方自治体からの補助金単価が明らかになっていないことから、次回以降の委員会において補助金単価に関するデータを含めて検討することになった。
太陽光発電以外の調達区分においては、環境アセスメントなどに時間がかかることから、この半年では電力の買取がほとんど開始されておらず、コスト・データも十分にそろっていないとされ、2012年度の買取価格から引き下げる要因などがほとんどないことが確認された。
なお再生可能エネルギーによる電力の買取にかかった費用は、付加金として、電力料金に上乗せする形で、電気需要家(電気の利用者=全国民)が負担することになる。そのため、買取が増えるほど、付加金が上がり、電気需要家の負担が重くなる。一方で買取価格が下がれば、発電事業者の新規参入意欲が減退され、再生可能エネルギーの普及が進まなくなる恐れもある。
2015年3月末をもちまして補助金情報の提供は終了しました。