2013年2月12日(火) 18時3分 公開
パナソニックは、実用サイズ(100平方センチメートル以上)の結晶シリコン系太陽電池において、世界最高の24.7%の変換効率を研究レベルで達成したと発表した。
これまでのHIT太陽電池の変換効率の過去最高値は23.9%。今回、これを0.8ポイント引き上げて、これまで世界最高変換効率を誇っていた米サン・パワー社の24.2%を0.5ポイント上回る値を実現した。
24.7%の変換効率を実現した太陽電池セルの厚みは、量産しているHIT太陽電池の200マイクロミリに対して、98マイクロミリと半分以下としている。太陽電池セルの製造では、コストに占めるシリコンウエハの割合が高い。このため使用するシリコンウエハの厚みを薄くして、コスト削減につながる狙いがある。一方、ウエハが薄くなると、割れやすくなったり、熱や機械的なストレスから反りが発生したりする不具合も発生しやすくなる。また近赤外光領域の光吸収量の減少を引き起こし、変換効率が低下する一因にもなる。
今回発表されたものは、(1)基板表面へのダメージを抑制しながら、単結晶基板上に、より高品質なアモルファスシリコン膜を形成する技術を確立、(2)アモルファスシリコン層および透明導電膜層の光吸収損失を低減、(3)セル表面のグリッド電極の面積削減による遮光損失低減、などにより高い変換効率を実現したとしている。
パナソニックでは、「今回開発に成功した高効率化技術の量産品への適用を進めるとともに、さらなる高効率化、低コスト化、省資源化を目指した技術開発に取り組む」としている。
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