2014年2月11日(火) 9時57分 公開
オムロンは、電圧上昇抑制制御機能(進相無効電力制御)を追加した屋外設置型パワーコンディショナ「KP□Rシリーズ」を発売する。KP□Rシリーズは、5.9kWタイプの「KP59R-J4」と4.8kWタイプの「KP48R-J3」の2モデルをラインアップする。
KP□Rシリーズは、マルチ入力方式に対応しており、寄棟屋根のような複数の屋根面にソーラー・パネルを設置した際、パネル枚数が異なる場合でも、回路ごとに入力設定することができる。そのため、従来必要であった昇圧ユニットや接続箱が不要となり、システム設計の自由度を高めることができる。
また電圧上昇抑制制御機能として新たに「進相無効電力制御」をサポートした。太陽光発電システムの普及に伴い、集中導入による発電出力の増加で電力系統の電圧が一時的に上がるケースが発生することがある。電力系統側の電圧が規定以上に上昇した場合、従来はその規定値を超えないようにパワーコンディショナ側で出力を抑制する機能を搭載していた。一方、電圧調整のために出力を抑制することになるため、この機能が動作している間は売電が行えなくなってしまう。そこで、新たに売電量抑制に影響を与えにくい進相無効電力制御を加えた。電力系統側の電圧が、規定電圧になり売電量の抑制を行う出力抑制制御が働く前に進相無効電力を注入することで、電力系統側の電圧上昇を抑えることができ、従来の出力抑制制御を働きにくくし、売電が行えなくなる状態を低減できるという。
KP□Rシリーズは、本体に表示部と操作スイッチを搭載しているため、本体のみで動作可能。集合住宅などへの設置でも、操作ユニットの収納箱が不要になるという。さらに外部ファンレスの自然空冷方式を採用することで、静音化や、チリやホコリ、虫などによる故障のリスクを大幅に軽減できる。
なお、KP□Rシリーズの発売と同時に従来機種の「KP□Kシリーズ(屋内用:2011年発売)」「KP□Mシリーズ(屋外用:2012年発売)」に対し、電圧上昇抑制制御機能(進相無効電力制御)などの機能を追加するモデルチェンジも行う。
オムロン製のパワーコンディショナは、多くの太陽光発電システムメーカーが採用していることから、順次、各社とも進相無効電力制御をサポートしたモデルに切り替わっていくものと思われる。
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