太陽生活ニュース

2014年3月8日(土) 15時48分 公開

調達価格等算定委員会、住宅用太陽光発電の売電価格37円/kWhを提示

経済産業省の「調達価格等算定委員会」は、2014年度(平成26年度)の再生可能エネルギーによる電力の買取価格(売電価格)案を策定した。

住宅用の太陽光発電システム(10kW未満)については、システム価格が2013年度の買取価格を算定した2012年10月-12月期の42.7万円/kWから、2013年10月-12月期には38.5万円/kWに下落している一方、2014年度には国の補助金が廃止されることから、2014年度の買取価格は37円/kWh(2013年度は38円/kWh)に引き下げることが妥当とした。

なお買取価格の算定において、太陽光発電協会(JPEA)が地方自治体の補助金に対して人口の多い自治体を中心にアンケート調査を行っている。その結果、2014年度も補助金を継続する自治体は全体の約36%、現在検討中の自治体を含めても最大で焼く46%と半数に満たないことが明らかになった。また、補助金額については、28%の自治体が減額を検討中ということだ。この結果、今回の2014年度の買取価格の算定に補助金による控除を含めないとしている。

これまで国の補助金の支給条件にはシステム価格の上限が設けられており、販売会社・施工業者は、その条件に合うようにシステム価格を決定してきた。しかし、2014年度は国の補助金が廃止されることから、事実上、システム価格の上限がなくなることになる。さらにこれまで、補助金+売電によって太陽光発電システムの導入費用を回収してきたわけだが、今後は売電のみによる回収が主体となる。そのため、より発電量が多い(多くの売電が期待できる)変換効率の高い製品へと市場がシフトしていくことが予想され、システム価格の上昇が懸念される。

調達価格等算定委員会では、家庭や企業などの電気利用者が電気料金の一部として負担する「再生可能エネルギー賦課金」が膨らむことを防ぐため、2015年度以降も買取価格を引き下げていきたいとしている。しかし買取価格は、システム価格などを元に一定の期間で回収できるものとして算出していることから、2014年度のシステム価格の動向によっては、2015年度以降の買取価格が据え置かれることにもなりそうだ。

2014年度の調達価格等算定委員会による電力の買取価格案

2014年度の調達価格等算定委員会による電力の買取価格案
太陽光発電が買取価格の引き下げのほか、洋上風力と中小水力にすでに設置している導水路を活用する既存導水路活用水力の買取価格が新たに設定されている(表の赤字部分が今回変更されたもの)。そのほかについては、2013年度からの買取価格の変更はない。


《太陽生活ドットコム 小林》

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