200~300万円もする太陽光発電システム、月々の電気代が安くなったり、売電収入が入ったりで少しずつ取り返せるといっても、「途中で故障しないかしら」と心配になるものです。
結論からいえば、太陽光発電システムも工業製品ですから、故障することはあります。ただし、メーカー保証などがありますから、そうしたサービスをしっかり利用できるように気を付ければ、長期間にわたってしっかり発電させることができます。
ただし注意点があります。太陽光発電システムの設置後は、特に自分は何もしなくても、昼間太陽が出れば発電してくれます。最初は発電モニタを何度も見て、いまの発電量や、家での電気消費をチェックしたけれど、しばらくしたらそれにも飽きて、もうモニタはあまり見なくなってしまった。そんな人も多いようです。
実はここに落とし穴があります。太陽光発電システムは、屋根に設置したパネルが、ただじっと音もなく発電するものです。そして発電量は、毎日の天気次第ですから、どれだけ発電すれば正常なのか、ということは厳密にはわかりません。ですから完全に発電が停止した場合はともかく、不具合で少しばかり発電量が減ったとしても、なかなか気づかないものなのです。
こうした不具合を放置すると、正常な場合に比べて発電量が減ります。不具合を解消しなければ、発電量はずっと低下したままで、長期間放置すれば、大変な損失になってしまいます。最初に述べたとおり、購入費用を少しずつ取り返すわけですが、全部を取り返すまでの期間が延び延びになってしまうわけです。
それでは、太陽光発電システムの故障や不具合をタイムリーに見つけられるようにするにはどうすればよいのでしょうか? 実はこれが簡単ではありません。いま述べたように、ユーザーがチェックできるのは発電量くらいですが、発電量は天気次第で、どれだけ発電していれば正常なのか、簡単にはわからないからです。
それでも、やはりユーザーがすべきことは、毎月の発電量を記録して、前年同月の発電量と比較するなどして、何かおかしな兆候がないかどうかを確認することです。毎月の発電量は、太陽光発電システムに付属する発電モニタ(→用語解説)で簡単に調べられます。
そして少しでも不安があったら、設置工事業者に連絡して、専門家に相談してみましょう。毎月の発電量を記録しておけば、こういうときにもデータとして非常に役立ちます。またこうした気軽な相談ができそうな業者を選択するのも大事なポイントの1つです。
(2011/7/9 公開)
2015年3月末をもちまして補助金情報の提供は終了しました。