2011年12月21日(水) 12時58分 公開
東芝と東芝燃料電池システムは、総合効率94%を実現した家庭用燃料電池「エネファーム」を2012年3月から都市ガス会社やLPガス販売会社向けに出荷すると発表した。新製品は、都市ガスとLPガスの両燃料に同一機種で対応するほか、国産天然ガスにも対応できるとしている。
エネファームは、都市ガスやLPガスから取り出した水素を空気中の酸素と化学反応させて発電し、その際に出る熱を給湯や暖房に利用する機器。従来製品では、発電効率35%、排熱効率45%%だったが、新製品では発電効率38.5%(都市ガス)/37.5%(LPガス)、排熱効率が55.5%となり、総合効率94%(都市ガスの場合)を実現している。東芝によれば、これにより年間の光熱費を約6.1万円軽減できるということだ。
新製品は、固体高分子形燃料電池(PEFC型:Polymer Electrolyte Fuel Cell)と呼ばれる電解質に高分子膜を用いた燃料電池方式で、部品点数の削減や低コスト材料の採用などにより、現行製品に対して20%以上のコストダウンを実現している。大阪ガスは、東芝の燃料電池発電ユニットに、長府製作所が排熱利用給湯暖房ユニットを組み合わせて、現行品に比べて約65万円安い、260万4000円(税込)で2012年4月2日より販売を開始することを明らかにしている。
また現行製品のエネファームを稼働させるには、水を循環させるポンプなどを動かしたり、電圧や周波数の基準としたりするため、系統電力(電力会社からの電力供給)が必要となっていた。しかし東日本大震災以降、停電時でもエネファームを動作させ、発電や給湯を行えるようにしてほしいという要望が多く、東芝では「停電時でも運転可能なシステム」の検証が完了し次第、発売する予定であることを明らかにした。なお、このシステムには高価なバッテリなどを必要としない低コストなものを想定しているという。
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