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設置工事業者選び10のポイント

施工実績は重要。ただし会社の営業年数とは別

設置工事業者を選ぶうえで、これまでの工事実績を確かめるのは重要です。実績が多いからよい、とは限りませんが、まだ太陽光発電システムの設置を扱い始めたばかりで、実績が未知数の業者よりは失敗のリスクは小さいといえるでしょう。見積もりをとるときに、これまでの工事実績がどれくらいあるのか確認しましょう。

ただし注意したいのは、この場合の「実績」というのは太陽光発電システムの設置実績であって、設置工事業者の営業年月ではないということです。例えば、古くから営業しているリフォーム業者が、つい最近から太陽光発電システムの設置を手がけるようになった、というような場合があります。この場合、設置実績はほとんどないわけですが、会社としての営業年数は短くありません。必ず、会社の営業年数ではなく、太陽光発電システムの設置実績を確認しましょう。

太陽光発電システムの設置工事が一般化したのは最近のことですから、どんなに長い業者でも10年程度、多くは5年前後の実績しかありません。これより圧倒的に長い年数が実績として提示された場合は、それは太陽光発電システムの設置経験年数ではなく、工事業者の営業年数だと考えるべきです。

10年つきあえる会社かを考える

太陽光発電システム自体は、ほとんど故障が起こることもなく、メンテナンス・フリーで長期間使い続けられます。一般的には、パワーコンディショナ(→用語解説)の寿命は15年程度、発電パネルは20~30年程度はもつといわれます。

とはいえまったく故障がないとは限りません。メーカーにもよりますが、多くのパネル・メーカーは、10年程度の品質保証をつけており、この期間内に何らかの故障があった場合には、無償交換などに応じてくれます。ただし一部のメーカーは、この10年保証の前提として、1年点検の実施を義務づけています。きちんとメーカー指定の点検を実施していなければ、故障があっても保証に応じないということです。

このように、何か故障があれば設置工事業者に相談することになりますし、故障がないにせよ、保証を受けるために1年点検を依頼する必要があります。つまり、設置工事業者とは、10年越しの付き合いになるということです。

例えば十分なサポート体制がない業者や、顧客満足度を軽視するような業者だとすると、故障時や点検依頼時などに気持ちよくサポートを受けられないかもしれません。価格が安いにこしたことはありませんが、価格だけでなく「10年つきあえる会社か」という視点でも、工事業者や営業マンの対応を評価したいところです。

説明がわかりづらく、不明点が多い。見積もりも大ざっぱ、というところは要注意

ユーザーは素人ですから、太陽光発電システムや設置工事に対してわからないことがたくさんあるのは当然です。営業マンなどと話していてわからないことがあれば、恥ずかしがらずにどんどん聞きましょう。こうした質問をごまかしたり、素人でもわかるように丁寧に説明してくれなかったりする場合には注意が必要です。

一般論ですが、資料請求などをしたときに、パンフレットや過去の導入事例など、情報量が多いところは、少ないところより情報開示に積極的であることが多く、ユーザーに対する説明責任をきちんと認識していると考えられます。資料が不十分だったり、何が書いてあるのかわからない資料だったりする場合は要注意です。

見積もりをとったときには、発電モジュールや取り付け金具の型番や個数が明記されているか、工事内容がある程度細かく表記されているか(電気工事費、足場設置費など)をチェックしましょう。項目がおおざっぱで、「一式」などとして丼勘定で表記している業者には注意が必要です。

ローンの金利。差はわずかでも長期ローンではけっこうな違いに

太陽光発電システムは数百万円もする高額な買い物です。購入にあたっては、一括支払いではなく、ローンを利用する人も多いでしょう。

通常、この場合のローンには、設置工事業者が提携しているクレジット会社などを利用することになります。ほんのわずかな差(年利1%程度)ではありますが、ローンの金利はクレジット会社によって変わります。年利1%というとたいした差ではないように感じますが、太陽光発電システムでは、最高15年、180回払いという選択も可能で、これだけ長期になると、1%の違いでも最終的な差は大きくなります。

ローンを利用して購入する場合には、工事業者が扱っているクレジット会社はどこで、金利はどれくらいかについても確認しましょう。

なお、お住まいの地方自治体によっては、太陽光発電をローンで購入した場合の利子補給などを行っている場合があります。

怪しい業者を見極めるためのポイント

すでにいくつか述べましたが、最後に、「こういう業者は要注意」というポイントをまとめておきましょう。

クーリング・オフについてきちんと説明しない訪問販売業者

別記事(→関連記事)にあるとおり、訪問販売は特定商取引法の規制対象で、消費者が購入の契約を結んでしまった場合でも、契約書面を受け取った日から数えて8日以内であれば、契約の解除を申し出ることができるクーリング・オフ制度が適用されます。訪問販売業者には、必ずクーリング・オフについて聞いてください。これをきちんと説明しない業者は、話を進めない方が無難です。

景気のいいことばかりをいう

事前にシミュレーションは実施するものですが、朝夕の周囲の障害物の影の影響や、パネル表面の汚れの影響など、シミュレーションでは考慮しなかった要因により、発電量が低下する場合があります。長い目で顧客と付き合うつもりがある設置工事業者は、設置してから「事前説明ほど発電できない」というトラブルを避けるため、本来よりもやや厳しいシミュレーション結果を事前提示します。これとは逆に、何かにつけ都合のよい条件で説明したり、あまりに条件のよいシミュレーション結果を提示したりする工事業者は注意が必要です。こうした発電シミュレーションについても、合い見積もりで比較する必要があります。

現場調査もしないですぐに見積もりめいたものを提示する

繰り返しになりますが、現場調査は精度の高い見積もり作成に不可欠の条件です。にもかかわらず、現場調査もきちんとしないで、すぐに見積もりを出してくるような業者には注意してください。

「モデル施工」「見本設置」だから安い、と説明する

「あなたには特別に『モデル施工』として安く工事します」「今回かぎりの『見本設置』、『モニター価格』なので特別に安価です」など、意味不明の説明をして、それがあたかも特別に安いように装う業者があります。こういう業者とは、絶対に工事の契約は結ばないでください。訪問販売でこうしたセールスを行うことは禁止されています。また「特別価格」というのはたいてい実体をともなわないもので、ほかの業者でも普通に行っている割引価格と変わりありません。

安永正弘さん

株式会社エコ&エコ
代表取締役社長
安永 正弘 さん

エコ&エコさんは、大手企業のグループ会社として、太陽光発電システム、オール電化システムの販売、設置工事を手がける設置工事会社。太陽光発電パネル・メーカー各社を取り扱っており、設置工事実績も多数。業界の健全な発展を願い、インターネットなどを通して積極的な太陽光発電の啓蒙活動などを行っている。

(2009/9/15 公開)

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