太陽光発電の買取制度に関する諮問機関である「買取制度小委員会」の第14回会合が2月17日に行われ、2011年4月から始まる2011年度(平成23年度)の太陽光発電の買取制度の方針や価格の大枠が決定した。住宅用太陽光発電(10kW未満)は前回会合の提案どおりに42円/kWhに引き下げ(現在は48円/kWh)。一方、非住宅用太陽光発電(学校や病院など)は、住宅と同じく余剰電力の買取とし、現行の24円/kWhから40円/kWhに引き上げる方針だ。これらの方針は3月末までに正式決定される予定。
個人住宅向けの買取価格は、前回会合での提案に対し特段の反対がなかったとして、余剰電力の買取、48円/kWh→42円/kWhへの値下げ方針を決めた。買取価格は、当初より太陽光発電システムの価格動向に応じて毎年見直しを行うとされてきたが、2009年11月に48円/kWhでスタートした買取価格が初めて見直されることになる。
買取単価は、太陽光発電を開始した時点での価格がその後10年間維持されるため、今期中(2011年3月末)に開始した人は10年間は48円/kWhで売電できる。一方、2011年度から開始した場合は、向こう10年間の売電単価が42円/kWhとなる。このように値下げの影響は10年間に及ぶので、2010年度開始か、2011年度開始かで売電収入は大きく変わる。これから期末に向け、駆け込み需要が増える見込みだ。
2012年度からの全量買取制度移行が検討されている非住宅向け太陽光発電は、2011年度については住宅向けと同じ余剰電力の買取とし、買取単価を現行の24円から40円/kWhに引き上げる。非住宅向け太陽光発電の補助金が2011年度は廃止される方針であり、全量買取制度への狭間となることから、引き上げ方針が決定された。
太陽光発電の買取費用は、「太陽光サーチャージ(→用語解説)」として全国民から徴収するため、今回の決定による国民負担が気になるところだが、買取は余剰電力に限定されるため影響は軽微だとされる。試算によれば、非住宅用太陽光発電の余剰電力は全発電量の20%程度と見込まれ、40円/kWhで買取ったとしても、住宅用を含めた買取総額の0.1%(年間で6750万円)しか上昇しないとしている。
(2011/2/18 公開)
2015年3月末をもちまして補助金情報の提供は終了しました。