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工事予定の前日となる2月16日は雨。「雨の場合、工事は延期」と聞いていたので、前日から気をもんでいましたが、当日の翌17日は何とか雨はあがって曇り空。「途中で雨が降ったら、工事はきりのいいところで中断する可能性があります」と説明を受けました。「工事が天気まかせでは日程調整がたいへんですね」と工事担当者の方に聞くと、「最近は設置工事が増えており、予定が詰まっているので、雨で延期する場合でも翌日には工事できず(別の工事予定が入っているため)、何日も工事が延びてしまう場合もあります」とか。とにかく雨があがって、工事ができるということで、よかったよかった。
集合した工事担当者は全部で6名。簡単な前打ち合わせを終えると、いよいよ荷下ろしが始まりました。
工事担当者の方が降ろしているのは、太陽光発電パネル(太陽光発電モジュール)を屋根に取り付けるためのフレームです。結構長さがありますね。
今回取り付けるのは、京セラの「サムライ」シリーズ。小型のパネルで、いろいろな形状の屋根に柔軟に配置できるのが強み。ただ今回のYさん邸では4.61kWと、かなり大容量となるため、パネルの数がかなり多く、梱包用のダンボールからパネルを出したり、不要になったダンボールを整理したりするのはけっこう大変そうでした。
パネルを取り付けるために屋根に固定するフレームは次のようなものです。この写真ではまだ出ていませんが、フレームの下側に屋根にネジ止めするための足がついており、くるっと90度回転して、フレームと直交するように足を出して、これを屋根にネジ止めします。この足の、屋根と密着する部分には、雨漏り防止用のコーキング材(防水性のあるパテ状の材料)があらかじめ貼られており(下側の写真で白いカバーが掛かっている部分)、これをネジで屋根に密着させることで、ネジ止め部分からの雨の侵入が防止されます。
一般論として、太陽光発電システムの電気配線は次のようになります。Yさん邸でも、基本的にはこの構成で工事します。Yさん邸は東京都内にあり、東京都からの補助金を受給するために、総発電電力計を設置する必要があります(東京都の補助金を受給するには、グリーン電力価値を都に提供するため、総発電電力計の設置が必須です)。総発電電力計は、パワーコンデョショナが太陽光発電パネルからの直流を交流に変換したすべての電力を計測する必要があるため、パワーコンディショナとブレーカーボックスの途中に接続する必要があります(東京都以外の地域で、総発電量を正確に計測する必要がなければ、総発電電力計の設置は必須ではありません)。
屋外の作業と並行して、宅内の配線工事が始まります。今回取材させていただいたエコ&エコさんの自慢は、「後付けでも新築時の工事と変わらないようなきれいな配線」なのだそうで、配線はできるだけ部屋の中から見えないように、床下などを通すようにするそうです。こういうと簡単なように聞こえますが、痩せている人が何とかして潜り込めるか、というわずかな隙間の床下に入って、真っ暗な中を、さまざまな障害物を避けながら配線するのはかなりの難作業。実際、Yさん邸の場合でも床下配線にはかなり手こずっていたようです。でも、工事してもらう方にすれば、配線などはなるべく見えないほうがいいですよね。このあたりに、工事業者としての良心がかい間見えます。
再び屋外。荷下ろしが終わると、次は降ろしたパネル取り付け用のフレームを屋根に上げます。Yさん邸の屋根は勾配が比較的ゆるやかで、特別な対策がなくても屋根の上で安全に作業できることから、足場は組まず、電動リフト付きのはしご1つを設置して資材の移動や人の上り下りに使っていました。
はしごに設置した電動リフトを使って、フレームを次々に屋根の上に運搬します。
(2010/3/11 公開)
2015年3月末をもちまして補助金情報の提供は終了しました。