太陽生活 > Special > 太陽光発電システム・メーカーに聞きました! 2010年版 (2/2)

シャープ

太陽光発電システム販売で高い実績を持つシャープの強みは、さまざまな屋根に対応した豊富な製品ラインアップを取り揃えていることです。切妻型(→用語解説)、寄棟型(→用語解説)、陸屋根(→用語解説)など屋根の形状に応じた製品があり、パネルのサイズも細かく選択できるため、同じ屋根でもより多くの(大出力の)ソーラー・パネルを設置可能です。シャープではこれを「ルーフィット設計」と呼んでいます。

またインターネットへのブロードバンド接続があることが前提になりますが、発電量や消費電力量をシャープのセンターに送信して、これをパソコンやインターネット機能付きテレビ、携帯電話からモニタできるようにする「Webモニタリングサービス」が利用できます(利用料金は無料)。

シャープ

新興マタイ

新興マタイの「マタイ」とは麻袋のことで、麻袋の製造・販売で約60年前に創業された会社です。その後の1994年から、環境エネルギー事業を開始し現在に至っています。あまり聞きなれない会社ですが、15年ほど前から太陽電池販売の取り扱いを開始し、国内主要メーカー製品を直販・卸売りしてきました。そして2009年8月に、韓国の太陽電池メーカーであるS-ENERGY社、KD Solar社の製品の国内輸入販売を開始すると発表しました。これら韓国メーカー製品の国内向けの実際の販売は、2010年4月ごろから開始されたばかりです。対応する設置工事店などは今後徐々に増やしていくとのことで、当面は地道な協力店開発を進めていくとの説明でした。

新興マタイ

メーカーに聞きました!

製品サービスの特徴は?

当社は、太陽光発電システムの商社として16年前から取り組んでおります。そして昨年10月からは、新たな試みとして、「S-ENERGY」「KD Solar」製モジュールの取扱いを開始しました。当社は、システム・インテグレーターとして、機器の統合から設計、保障を行っております。25年間に渡る長期の出力保証に加え、大きな耐圧荷重(5400Pa)により、一般地はもとより、豪雪地域での設置や、耐久性を求められる産業用太陽光発電システムにも柔軟に対応できます。また、ご購入いただいたお客様にもれなく植林木オーナー証書を差し上げております。お客様に代わり、インドネシアに2本の苗木を植林することで、設置したその日から環境貢献ができる太陽光発電システムとなっております。

今後に向けて力を入れている取り組みは?

まだまだ日本市場で認知度が低い当製品ですが、現在市場に流通しているモジュール以外にも、多くのラインアップをご用意しております。今後は日本市場に適したモジュールの開発や、さらに高効率のモジュールをラインアップに加えることにより、よりいっそうお客様に満足していただけるよう努力してまいります。

消費者にアピールしたいこと、もっとも注目してほしいことは?

当社は、国内外8メーカーの太陽電池を同時に設置し、その発電能力を観測、検証する「太陽光発電システム 研究棟」を保有しており、大変好評いただいております。これにより、消費者の方々から販売、施工店、有識者の方々に至るまで、太陽光発電の実際ともいうべき生のデータをご覧いただくことができます。公平な立場で各メーカーの性能比較ができることにより、今後拡大が見込まれる太陽光発電市場において、その普及・啓発活動の一端を担うことができれば幸いと考えております。

ソーラーフロンティア

大手石油元売り会社の昭和シェルの子会社として太陽電池を製造・販売していた「昭和シェルソーラー」が、2010年4月1日に社名変更した会社です。ソーラーフロンティアのソーラー・パネルは、CIS型(→用語解説)と呼ばれるもので、シリコンを使わない薄膜型太陽電池です。結晶シリコン系の太陽電池と比較すると、CIS型太陽電池は変換効率で劣るとされてきましたが、効率向上の技術開発を続けた結果、まもなく量産が開始される次世代製品では、結晶シリコン系と遜色のない変換効率を達成できる予定との説明でした。ホンダソルテックのCIGS型と同様に、陰の影響を受けにくく、感度が高いため曇りなどでも一定の発電量を期待できるため、通年の発電量を比較すれば、結晶シリコン系太陽電池に勝るとも劣らない性能を持っているとのこと。従来は販売網が十分に確立されておらず、なかなか消費者の目に触れにくいメーカーでしたが、現在は代理店網を急ピッチで強化しており、すでに国内の販売拠点は2000個所に及んでいるとのことです。

ソーラーフロンティア

長州産業

長州産業は、太陽熱温水器の販売から始まった会社で、太陽熱温水器を得意としながら、ソーラー・パネル(太陽光発電パネル)の販売も並行して行っています。もともとは三洋電機製のソーラー・パネルを販売していましたが、2009年からは独自のソーラー・パネルの製造も開始、三洋電機製パネルとともに販売しています。最大の特徴は、ソーラー・パネルと太陽熱温水器を共通する規格(大きさや厚みなど)で製造し、両者の一体施工が可能で、両方を組み合わせて屋根に設置しても、まったく違和感がない見栄えにできるという点です(写真参照。太陽電池セルとは違う、薄い色のパネルは太陽熱温水器)。長州産業では、このシステムを「Wソーラー」と呼んでいます。ソーラー・パネルのラインアップとしては、単結晶型、多結晶型、HIT太陽電池があります。

長州産業

メーカーに聞きました!

製品サービスの特徴は?

高効率の単結晶セルを用い、太陽電池モジュールのコンパクト化と軽量化を実現。屋根のスペースを有効に使え、コストパフォーマンスにも優れています。また、太陽の光とともに熱も有効利用したいという観点から、太陽電池モジュールと同一サイズの集熱器を開発し、施工方法を共通化することで、デザイン性の向上や低コストでスマートな施工を実現させた「Wソーラーシステム」も製品化しました。光と熱両方を製造しているからこそ生まれた、太陽光発電システムと太陽熱給湯システムのハイブリッドです。

今後に向けて力を入れている取り組みは?

長州産業は市場に見合ったより良い製品を提供すべく研究・開発を続けています。そして住宅用だけでなく、公共・産業用にも注力し、トータル的にコスト削減に努めています。

消費者にアピールしたいこと、もっとも注目してほしいことは?

今年で30周年を迎えた長州産業は、太陽電池モジュールの製造にも着手し、メーカーとしての第一歩を歩み出し、設計から製造、販売、アフターサービスまでの一貫体制で取り組んでいます。お客様の声を大事にし、品質・性能の向上を目指しています。

東芝

東芝は、それまでの電力会社向けのメガ・ソラーシステムの販売に加え、2010年4月から、住宅向け太陽光発電システムの販売を開始しました。ソーラー・パネルは独自開発ではなく、米サンパワー社から供給を受けたものを東芝ブランドで販売します。このサンパワー製パネルは、変換効率の高い単結晶型で、モジュール変換効率は16.9%と、高効率を誇る三洋電機のHIT太陽電池(モジュール変換効率17%)に迫っています。高効率を実現可能にしたのは、他社製品では表面にある電線をセルの背後に配置し、セル表面の発電可能面積を増やした「バックコンタクト方式」と呼ばれる技術を採用したことです。ただし、この東芝のソーラー・パネルは、比較的大型の長方形パネル1種類のみで、屋根の大きさや形状に合わせて柔軟に設計するなどは現時点では困難です。

PV Japan 2010の東芝ブースで伺ったところでは、東芝は太陽光発電システムだけを単独で販売するというよりも、エコキュート(→用語解説)や各種省エネ家電など、東芝が手がける住宅向けエネルギー関連機器全般を視野に入れ、あくまで太陽光発電はその要素の1つという位置づけで販売を強化していくとのことでした。他社と比較するとやや高価格帯になるとのことでしたが、東芝は低価格路線を狙うのではなく、あくまで高効率ニーズを狙っていくと説明していました。

東芝

ホンダソルテック

自動車メーカーのホンダの100%子会社として設立された太陽光発電システム・メーカーです。ホンダソルテックが製造するソーラー・パネルは、CIGS型(→用語解説)と呼ばれるもので、シリコンを使わない薄膜型の太陽電池です。一般的なシリコン結晶型のソーラー・パネルと比較すると、変換効率では若干劣りますが、陰の影響を受けにくい構造を持つ点が特徴です。従来は販売基盤があまり強くなく、選択肢としてあがりにくい状況でしたが、販売店の拡充を進め、現在では全国の販売店が200店に達したとのこと。広く販売できる体制が整ってきたとの説明でした。今後は目にする機会が増えてくるでしょう。

ホンダソルテック

メーカーに聞きました!

製品サービスの特徴は?

Hondaの「CIGS薄膜太陽電池」は、発電層に銅(Cu)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、セレン(Se)を原料とした化合物半導体を使用しています。シリコン太陽電池に比べて製造時に消費するエネルギーが少なく、製造時から環境にやさしい太陽電池です。それだけでなくCIGS薄膜太陽電池は、(1)発電する光の波長帯が広く、曇りや朝方・夕方でもよく発電する、(2)温度特性がよく、温度上昇時の発電量の低下が少ない、(3)発電素子の構造から一部分が影に覆われても大きな電圧低下を起こさない等の特徴があるため、同じ設置容量での試験では多結晶シリコン太陽電池に比べて年間発電量が多くなるといった結果もでています。

今後に向けて力を入れている取り組みは?

2007年10月から住宅用太陽光発電システムの販売を開始し、販売店数は現在約200店。昨年は全国展開しているハウスメーカーである一条工務店との取引を開始しました。お客様がHonda太陽光発電を導入しやすいよう販売経路の拡大を進めています。阪神甲子園球場にもHondaの太陽電池を導入いただき、今年3月に稼動を開始しました。法人のお客様の導入サポートにも力を入れていきます。今年8月には商品ラインアップも充実予定。これからもより多くのお客様に太陽光発電を利用していただけるよう取り組んでまいります。

消費者にアピールしたいこと、もっとも注目してほしいことは?

Honda太陽光発電システムは弊社と契約した販売店で販売・施工をしています。販売ルートを限定することによりお客様とメーカーとの距離を近くし、緊急時にも迅速に対応できるようにしています。設置工事の安全性とメンテナンスを重視しているため、販売店には「建設業許可」「建築士」「電気工事士」を有することを契約要件としています。また、施工研修の受講を義務づけ、研修後にIDを発行し確実な施工を保証しています。さらに販売店で行う設置前の建物調査結果をメーカーで確認しています。お客様に長く、安心してご使用いただくために、バイクや自動車で培ったHondaの品質基準に基づいた厳しい管理をしています。

三菱電機

三菱電機は、ソーラー・パネルとパワーコンディショナ(→用語解説)の両方を自社で製造する数少ないメーカーの1つ(パワーコンディショナは他社から供給を受けているパネル・メーカーが多い)。三菱製パワーコンデョショナは、業界トップレベルの変換効率(97.5%)を誇っています。ソーラー・パネルの変換効率だけでなく、パネルとパワーコンデョショナの双方を含めたシステム全体でどれだけ効率よく発電できるかを重視しているとのことです。低価格路線ではなく、高品質、高出力の領域で競争していくという説明でした。施工取り扱い店は現状で8000店ですが、今年度内にはこれを1万6000件に倍増するとのことです。今後はより身近なパネル・メーカーの1つになりそうです。

三菱

メーカーに聞きました!

製品サービスの特徴は?

高効率な4本バスバー電極セルの採用により大出力を実現した190Wシリーズモジュールを、多彩なラインアップで提供することにより屋根を徹底活用、設置容量をアップします。さらに、業界トップ*の電力変換効率97.5%を持つ高性能パワーコンディショナと組み合わせることで、当社独自の考え方である創エレ効率(電気を創る効率)の高い太陽光発電システムをご提案します。
(*2010年7月現在、三菱電機調べ。PV-PN40GのJIS C8961で規定する定格負荷効率。国内住宅用パワーコンディショナの電力変換効率において)

今後に向けて力を入れている取り組みは?

三菱電機は、より環境にやさしい循環型社会実現のため「環境計画」を推進しています。その核となるのが、「エコプロダクツ」「エコファクトリー」「エコロジスティクス」という3つのキーワードです。今後も、製品、製造、物流のエコロジー化を考え、いっそう環境負荷低減に取り組んでまいります。

消費者にアピールしたいこと、もっとも注目してほしいことは?

システムトータルでの発電量「創エレ効率」アップにとことんこだわります。また、三菱の施工は、信頼性の高い「垂木固定方式」を採用。少ないネジ本数でも設置強度を確保でき、取付金具の数量や工数も削減できます。

(2010/7/30 公開)

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