光(ひかり)博士:
本業は太陽光発電システムの研究だが、世の中に太陽光発電を普及させるために、初心者を対象とした太陽光発電の教室を開いている。
緑(みどり)ソーラー(ソーラーママ):
一男一女を持つ専業主婦。クリーンで家計も助かると聞き、太陽光発電に興味津々。わからないことだらけなので、光博士の教室に勉強しにやってきた。
前回に引き続き、今回も補助金のお話。申請の流れや便利な補助金検索の方法などを説明します。
ご注意:以下の記事は2009年12月に執筆されたものです。補助金という話題の性格から、時間経過とともに状況が大きく変わる可能性があります。ご注意ください。
博士! ソーラーです! 補助金の話の続き、早く教えてくださいな。
こんにちは、ソーラーさん。今日は補助金の続きじゃったな。それじゃさっそく続きを説明しよう!
よろしくお願いしまーす。
博士、補助金にいろんなタイプがあることは前回でわかったんですが、具体的に補助金をもらうにはどうしたらいいんでしょう。
そうじゃな。補助金を受け取るまでのおおまかな流れを説明しよう。申請方法も自治体ごとに違うんじゃが、大きくは2種類がある。「事前申請型」と「事後申請型」じゃ。
「事前申請」「事後申請」???
まあ、そんなに難しい話ではないから安心しなさい。ただし、申請手順を間違えると、もらえる補助金がもらえなくなる場合もあるから、大枠はきちんと頭に入れておくように。
補助金がもらえないなんてことになったら大変!一所懸命聞きますよ!
まあそう力まんでよろしい。まず、圧倒的に多いのは「事前申請型」じゃ。国の補助金もこの方式じゃぞ。事後申請型に比べると手続きも多いし、間違えやすいから注意が必要じゃ。基本的な流れを図にするとこうなる。
うーんと、えーと…。
順に見ていけば難しくないぞ。まずは工事業者に工事の見積もりをしてもらって、契約をしたら、工事を始める前に書類を補助金の受付窓口に提出して審査してもらう。
工事をする前にですか。
そう。ここがポイントじゃ。「これこれこういう工事をこれからやります。補助金を支給してほしいので審査してください」ということを工事前に書類で提出して審査してもらうんじゃ。審査がパスするまでは工事はできない。間違えて審査をパスする前に着工してしまうと、補助金が受け取れなくなってしまう。実際、そういうトラブルが多いそうじゃ。
なるほど、それは気をつけないと。
経験豊富な工事業者ならまかせておいても心配はないじゃろう。さて、審査をパスしたら、設置工事を開始、設置が完了したら運転を開始する。余剰電力は電力会社に売れるようになる。
工事が終わって太陽生活が始まるわけですね!
そうじゃな。さて、設置工事が終わって、運転を開始したら、「間違いなくこういう太陽光発電システムを設置しました。運転も開始してこういう実績です」という書類を再度窓口に提出する。前の申請は工事前の紙きれだけだから、間違いなく設置して運転を開始しましたという証拠を提出するわけじゃ。たとえば国の補助金なら、設置したモジュールの写真とか、購入したモジュールの製品シリアル番号とか、系統連携(→用語解説)した実績書類などを提出することになるぞ。
なーるほど。
そして再度の審査を受けて、問題がなければ晴れて補助金が支給されるんじゃ。ただし、この2回目の審査書類提出までにはしめきりがあるから注意すること。国の補助金の場合は、工事完了日から30日以内と定められている。これが第2のポイントじゃ。このしめきりを守らないと、やはり補助金は受け取れないぞ。しめきりを守らないで補助金を受け取れないトラブルも多いそうじゃ。
ふむふむ。工事が終わってから30日以内ですね。忘れないようにしなくちゃ!
次は事後申請型じゃな。簡単にいえば、これは事前申請型の工事完了後の申請だけを行うタイプじゃ。設置工事がすべて完了して、運転を開始してから申請する。図にすると次のようになる。
こっちは申請が1回だけで済むし、簡単ですね。
そうじゃな。たとえば、東京都などはこのパターンじゃ。国や都道府県、市区町村で手順がまちまちだから、ちゃんと確かめて、間違えないようにする必要がある。
そうですね。気をつけます。
2015年3月末をもちまして補助金情報の提供は終了しました。